二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 忘れな草【イナズマ短編】ルカぴょんさん・林檎さんリク完成 ( No.30 )
- 日時: 2011/03/25 16:22
- 名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: ZgrHCz15)
+それはきっと夕日のせい
照りつける夏の日差し。しっかり日焼け止めを塗ってきたけど、焼けちゃうかもしれない。日差しを反射してキラキラと輝く水面。ちょっと目を向こうにやれば、青い水平線がどこまでも広がる。
「ほら、次郎! 海だよ!」
「そう慌てなくても海は逃げないだろ」
私は海を指差しながら、大好きな次郎の腕を引っ張った。力強く引っ張ったせいで、サンダルに砂が入って気持ち悪い。
足元の砂はとても綺麗で、ごみなんて一つも落ちていない。ふと後ろを見ると、潮風が次郎の長い水色の髪を揺らしている。何だか大人っぽいなぁと眺めていると、次郎と目が合った。不思議そうな顔で、
「海、オレの顔に何かついているのか?」
「う、ううん。何でもないよ! さあ、行こっ!」
「お、おい!」
ああ、何だか恥ずかしい。恥ずかしいって気持ちが胸の奥からこみ上げてくる。きっと鏡で顔を見たら真っ赤なんだろうな。私は羞恥(しゅうち)の心を胸の奥に沈めながら、次郎の腕を引っ張って海に走り始めた。
次郎は非難の声を上げながらも、仕方ないって感じについてきてくれる。小さい頃は、次郎が私をこんな風によく引っ張ってくれたけど、今日始めて次郎を引っ張ってやることができてとても嬉しかった。
ここは本当に穴場のビーチだ。夏真っ盛りなのに人はほとんどいないし、海も綺麗だ。私たちの眼前には白い砂と深いブルーに透き通る海。波が幾重にも翻り、雫が飛ぶ。潮の匂いや、波の音が心地よい。
「それ、海!」
景色にぼうっとしていると、次郎に海水をかけられた。飛び散った雫が光を宿してキラキラと光る。
「なによー! 次郎!」
私は笑いながら、次郎に手で海水をすくって、次郎にかけた。次郎はくすっぐたそうな顔で夏の日差しにも負けない笑みを見せてくれた。おかえしだ! とか言って、また水を送ってきた。私もかけ返す。とにかく楽しかった。二人の笑い声が響きあっていた。
そんな他愛のないことをした後、私は再度次郎に水をぶっ掛け、走り出す。
「ほらほら砂浜で追いかけっこしよう!」
足が水に入るたび海水が散って、ワンピースの裾が濡れてちょっとだけ後悔したけど、次郎の笑顔でそれも忘れてしまった。
「いいぜ。待て、海!」
次郎はサッカー部だから足が速いけど、私だって女子の中では早いほうだ。次郎とは距離が離れたり、近づいたりしている。しばらく走っていたら、私は息が荒くなってきた。スタミナ切れのようだ。足の速さに自信はあっても、スタミナに自信はなかった。
そんな時、私は足元に岩があることに気づかなかった。気づいたときには足に岩をとられ、身体が前のめりになって——
「海!」
呼ばれているなあって思ったら、身体が前に倒れるのを止めていた。胸のすぐ下辺りに力強い腕が伸びている。胸がどくんと高鳴った。ちょっと前まで小さかったのに、いつのまに大きくなっちゃったんだろう。
次郎はゆっくりと私の身体を起こすと、慌てた顔付きで聞いてきた。
「海、怪我はないか? 大丈夫か?」
身体のあちこちをさわり観察された。次郎は慌てると理性を失う。普通なら不潔って言われてもおかしくないのに。
「大丈夫よ。次郎が支えてくれたから」
私が言うと、次郎は安心したように優しく微笑んだ。帝国では見られない、私だけが知っている次郎の表情。
「怪我があったら、きちんと言えよ? オレがおぶってやるからな」
*
次郎と遊ぶと時がたつのも早く、あっと言う間に夕暮れになってしまった。海はオレンジ色に染まり、大きな太陽が線のように海に移りこんでいる。
「もう夕方だねー」
「そうだな」
私はちらっと横を見た。夕日で次郎の横顔が朱色に染まっている。子供みたいで大人みたいな。改めてみると不思議な表情だ。ああ、また胸の鼓動が早くなってきちゃった。どうしてだろう。
「海」
不意に名前を呼ばれ、私はびくっとした。横に目をやると、次郎が今まで見たこともない真面目な顔つきで私を見据えている。私は胸が高鳴るのを感じながら控えめに尋ねた。
「な、なあに? 次郎?」
「好きだ、海」
次郎は表情どおり真剣な声で言い放った。見ると頬が真っ赤に染まっている。夕日のせいじゃなくて、本当に照れているんだろう。
え? 今、次郎は何ていった? 『好き』? 次郎の言葉が何度も何度も頭で再生される。反響する。思考がぐちゃぐちゃになり、声もでない。
ようやく思考が回復したとき、私の胸には嬉しさとか照れとか色々な感情が綯い交ぜになっていた。ああ、でも答えなくっちゃ。私は声を振り絞り、
「……私もずっと、二郎の事好きだったんだ」
頬が火照るのを感じながら答えた。頬が赤いのはきっと、夕日のせいだ。
+
いやああああああ(スライディング土下座)
お待たせしたうえにこんな駄文で申し訳ない、 MiNi!
まずと言うか佐久間の口調がおかしいし、ほのぼのに近くなっているww
誰か私に甘いストーリーの書き方教えてください←
ではリクありがとうございました!