二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】銀色に輝く華 ( No.134 )
- 日時: 2011/05/15 19:08
- 名前: 瑠々 (ID: .qxzdl5h)
【銀色誕生日特別編】
——遠い夏の花
鮮やかな色合いの浴衣を着て、手をつないで走る小さな女の子達。
食べ物の美味しそうな匂い。
漆黒の空には花火が次々に上がる。
だが、そんな楽しい空気の中、銀色の髪の少女は辺りを見回しながら
トボトボと悲しそうに歩いていた。
「…お父さん、お母さん…。何処ォ?」
少女は震える声で父と母を呼んだ。だが、その声は只虚しく笑い声に
かき消された。
少女は水色の着物の裾で涙を拭った。
その少女の目は異様だった。目の色だけでは無い、髪の色もだった。
目の色は青と赤の左右違う色で、髪の色は綺麗な銀色だった。
少女は今日、家族と一緒にこの村の祭りに来ていた。
だが少女は、打ちあがる花火に見惚れてしまい、家族とはぐれてしまったのだ。
「…灰色ォ」
少女は自分と同じ髪の色を持つ双子の妹の名前を呼んだ。
するとその瞬間、丁度反対側から来ていた少年にぶつかった。
その所為で少女は思い切り尻餅をついてしまった。
「あ、悪ィ」
少年は少女に手を差し伸べて、少女を立たせてくれた。
すると少年は、少女を見て少し驚いていた。
少女は「どうしたの?」と言う様に少年を見たが、直ぐに少年は後ろを振り向いて、一緒にこの祭りに来ていたのであろう子の名前を呼んだ。
「なんだよ」
少年に呼ばれてやって来た紫の髪の少年を見た時、少女は目を見開いた。
紫の髪の少年の脇に居る少女——…、其れは双子の妹だった。
「灰色ッ」
「銀色ッ」
二人はお互い駆け寄り、手を握った。すると、少年は、
「どうやら見つかったみてェだな」
と言うと、紫の髪の少年と一緒に人ごみの中に消えて行った。
すると、灰色は銀色を見て言った。
「——あの男の子の髪の色、銀色だったね」
「・・そうだね」
二人は手をつなぎ、遠くに見えた父と母の元へ掛けていった。
「——銀時、晋助、あの子達両親と会えたみたいですよ」
クリーム色の長い髪の男は、銀髪の少年、銀時と紫色の髪の少年、晋助を見て言った。
「「ふーん」」
二人がそう言った瞬間、花火が上がった。