二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】銀色に輝く華 一周年企画!新入隊士募集!! ( No.160 )
日時: 2012/02/19 14:11
名前: 瑠々 (ID: Q8MrRCmf)
参照: すっごいお久な気がする←

【餡子誕生日特別篇】

——降りし雪は只静かに、


正月も終わり、江戸の交通機関は帰省ラッシュでごった返していた。
その所為であちこちで事故が起こり、江戸の警察は大忙しだった。
勿論、真選組も例外ではなく、屯所には数名の隊士しか残っていなかった。
ちなみに屯所に残っている数名とは、門番や三・四名程の平隊士。
そして———、

「書類整理とかやってられっかァァアァァ!!」

紙の束を投げ出し、机につっぷしたのは日向。
その横で文句を言わず黙々と作業をするのは餡子。
自分の横で死に掛けている日向に餡子は作業する手を止めずに言った。

「山下隊長、あと少しですから頑張って下さい」
「これの何処があと少しィ?つーか二人でこの量は無理だろ」

疲れきった目で後方にある紙の山と横にある紙の山を見る。
横にある山は整理し終わった書類の山。後方にある山はまだ片付いてない書類の山だ。両方共大きさが変わらないのは気のせいだろうか。

ちなみに30分前まで桃亜とアリスも一緒に作業していたのだが、「甘いものを食べたい」と言い出して、二人で部屋を出て行った。

「山下隊長、私お茶淹れてきます」

「…お願いします…」
餡子が立ち上がるのと同時に日向は畳みに倒れこむ。
部屋を出た餡子は、日向の今の姿を思い出して、クスリと笑った。

              *

四時間後、二人で協力して(殆ど餡子が片付けたのだが)仕事を終わらせた頃、桃亜とアリスが帰ってきた。勿論日向は切れて、大暴走。
他の仕事から帰ってきた隊士達は日向に驚いていたが、桃亜とアリスと餡子は平然としていた。むしろ、桃亜とアリスは面白がっている。

「まーまー落ち着きなよ♪」

「そうそう。忘れたの?今日のこと」

瞬間、日向の暴走が止まる。
餡子が不思議に思っていると、アリスが餡子の背中を押した。

「そんなことよりゴリの部屋行こ♪」

アリスに言われるがまま局長室の前に行く。
すると局長室から豪快な笑い声が聞こえた。

「今日なにかあったの?」

餡子の問いに三人は笑うだけで、餡子の頭の中は「?」マークで一杯になった。すると、山崎がやって来た。
巨大ケーキを持って。

「ザキ、ケーキ落としたら殺すから☆」

桃亜が鯉口を切って笑うと、山崎は顔を真っ青にさせた。
今だ状況が掴めていない餡子にアリスは笑って、

「今日あーちゃんの誕生日だよ♪」

「!」

日向が襖を開けると、アリスが軽く餡子の背中を押した。


外では雪が静かに降っていた。