二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 天駆ける十二星座ポケモン ( No.132 )
日時: 2010/12/25 20:51
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Hi/9PYOs)
参照: ポケモンのアレンジ曲(を聴くこと)にはまっておりますw

あらすじ
何故か突然テレパシーで語りかけてきた乙女座ポケモンのヴァルニカと名乗る姿無き者。
これは一体…?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ちょっと待て、落ち着け。状況を考えるぞ」
必死に自分を落ち着かせる秀夜。
「つまり、今俺たちはテレパシーで十二星座ポケモンの声を聞いてる…って事だよな…」
現実は分かった。状況も分かった。
分からないのは、何故乙女座ポケモンの声が飛んできたのか…という事だ。
「あの、ヴァルニカさん? 何故、俺たちの事が分かったんでしょう?」
通じるか分からないが、とりあえず秀夜は喋ってみる。
—カナワから連絡を受けました。私はターゲットの気配を辿ったり、テレパシーで人と話す事が出来るのです—
「でさ、何で俺たちに話しかけてきたんよ?」
京が訊く。訊くといっても、何も知らない他人が見ると独り言にしか見えないのである。
—ローマは広く、複雑な町。私本人が教えれば、私を見つけるのがぐっと楽になるでしょう—
確かにローマは広い。『ローマは一日にしてならず』『全ての道はローマに通ず』などのことわざがあることからも分かる。
—私への石碑は、B・S大聖堂の裏付近にあります。B・S大聖堂はここを支配する者の本拠地。お気をつけ下さい—
その声を最後に、声は途絶えてしまった。しばらく続く沈黙。
「さて…まずB・S大聖堂ってどこだ?」
京が沈黙を破った。まず建物を探さないと話にならない。
「確か…ここから北西の方だったはずだよ」
大悟はさすがによく知っている。
「本当ですか? よし、じゃあ早速行こうぜ!」
京が急かす。
「よし、行こうか。大悟さんも、行きましょう」
秀夜が指揮を執るが、
「いや、僕はちょっとこの競技場を見てくるよ。何しろここの噂は結構前から聞かされていたし。それに場所は分かるから、ちょっと遅れていくよ」
大悟は少し用があるらしい。
「そうですか? ま、いっか。よし、じゃあ行くぞ!」
秀夜が叫び、六人は大聖堂へ向かった。

六人が見えなくなった。
「さて…こそこそ隠れてないで、出てきたらどうだい?」
突然大悟は森の方へ呼びかける。すると—
「ケッ、ばれてたのかよ。さすがはチャンピオンだなあ」
大木の陰から、男が出てきた。
晴れているというのに雨用のビニール傘をさし、上半身はレインコートで覆い、ジーパンを履いている。
「どうせだから自己紹介…僕ちんはB・S団屈指の頭脳派、レイン。これでもRの称号を持ってるんだぜ?」
レインと名乗る男は、大悟の返事も待たず、モンスターボールを突きつける。
「悪いけど、僕ちんボスに言っちゃったんだよね。あんな奴らお手の物だって」
レインは顔色一つ変えず言う。
「ほう…だからと言って僕に勝つつもりかい?」
大悟も余裕の表情だ。
「ヘッ、チャンピオンだからって調子に乗るんじゃねえぜ。僕ちんの頭脳戦に敵うのかよ?」
「上等だ」

続く