二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン ( No.167 )
- 日時: 2011/01/02 15:44
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: bG4Eh4U7)
あらすじ
怪盗姉妹は、どうやら敵ではなかったようだ。
だが、突如飛んできた炎は…
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そこにいたのは、見知らぬ人間だった。
髪は長めの薄い黄色、体は白銀のベールで覆われていて、顔を見ても男か女か分からない。
ただし、はっきりと分かることが一つ。
胸についているのはB・S団のシンボル、つまりこいつはB・S団員だ。
「おやおや、思ったよりも瞬発力が優れているようですね」
そいつの声も男とも女とも取れる。
「おいおい、いいのかい俺達を攻撃して。最終的に俺達を殺したいのはボスなんだろ?」
秀夜が挑発してみる。
「炎一撃じゃ死なないのでは?」
何だかとても非人間的なことを言われた気がする。炎で人間が死なないだって?
「ふざけんな。普通の人間は死ぬよ。つかお前、名前は?」
そいつはなぜか鼻で笑い、その後また口を開いた。
「私はフー、称号はW。どうせ貴方たちはここで捕まって死ぬ運命ですから、覚える必要はゼロですよ」
Wだと?B・S団ボスは早くも勝負に出たようだ。
「それと私は無駄な戦いはするつもりはありません。とっとと捕らえて連行する、それだけです」
フーがそう言って空に手をかざすと、どこからか大勢の下っ端が出てきた。全員バズーカ砲っぽいものを持っているが…
「包囲網、発射用意!」
下っ端が銃口を向ける。どうやら網が出てくるらしい。
秀夜はとっさにジャローダを出した。
「捕まってたまるかよ! ジャローダ、グラスボンバー!」
ジャローダが大きく叫ぶと、足元の草が伸び始めた。
下っ端が網を発射しようとした時にはもう遅い。草が下っ端を絡めとり、バズーカ砲をひねり潰していた。
「この隙に逃げるぞ。三手に分かれ、とにかく走り続けろ。奴らがいなくなったらここに集合、目印はこの伸びきった草だ」
秀夜は小さい声で仲間に伝える。そして大きく叫んだ。
「逃げろ!」
言うが早いか、六人は全速力で駆け出した。
秀夜の後ろには平治が付いてきた。他は確認出来なかった。
「なるほど、そう来ましたか…。ですがこちらにはまだたくさんの軍がいます! 全軍、三手に分かれて奴らを追いなさい!」
フーの指示で大勢の下っ端が駆け出す。
「秀夜! 追っ手だ!」
後ろから平治の声がする。
「分かってる! とにかく奴らをまくぞ!」
しかし下っ端は異様に速い。訓練でも受けているのだろうか?
みるみるうちにすぐ後ろまで迫ってきた。
「秀夜、このままじゃ二人とも捕まる! 俺が戦うからその隙に逃げろ!」
平治が叫ぶ。
「ふざけんな! そんな事出来っこねえ! 六人そろってこそ俺達だろうが!」
秀夜も叫んだ。大切な仲間を置き去りにするなんて出来ない。
それに気づいたのか、平治はわざと向きを変え、下っ端たちに突っ込む。
「その代わり、他の奴らと合流したらきっと助けに来てくれよな!」
平治の表情は後ろからは分からなかった。声だけが聞こえた。
秀夜は涙をこらえ、走り出す。
「絶対助けるからな、待ってろよ! 平治!」
続く