二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン 第五章終了 イラストぼしゅー ( No.196 )
- 日時: 2011/01/14 21:34
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: F/CIbMuI)
第六章
秀夜たちは、朝一番で飛び立った。
フーたちに襲われないとも限らないので、朝早くノルウェーを去ることにしたのだ。
今はエジプトに向かって飛んでいる。
「石碑は建物の近くだよな? エジプトの建物といったら…ピラミッドだろう」
後ろから平治の声がする。
「ライオンの頭にスイッチあったらどうする?」
由衣の言った『ライオン』とは、スフィンクスの事だろう。
「まあそこら辺のことは着いてから考えようぜ。とりあえず今はエジプトへ行くぞ」
会話は秀夜の声を最後に途切れ、六人は飛び続ける。
海には軍隊か何かの船が走っている。B・S団のマークが大きく描かれている。
「おいおい、あそこから撃たれたりしねえだろうな…」
京が呟く。その言葉は現実となった。
大きな砲弾が一発飛んできた。
「うわっ!」
皆間一髪で避ける。
船から声が聞こえてきた。
「私はB・S団の中でOの称号を持ち、軍の大総統でもあるオシリス! お前たちが私らの邪魔をしていることは分かっているぞ!」
秀夜たちは何も反論しなかった。こんな上空から言っても聞こえないだろう。
とりあえず全速力で逃げる。
包囲網が一斉に発射された。六人を捕らえるべく、どんどん撃ってくる。
「諦めろ! 逃げ切れないぞ!」
オシリスの声が響く。
「うっぜえなあ…」
京が呟き、モンスターボールを取り出した。
出てきたのは、緑色の体をした、砂漠の聖霊の名を持つドラゴンポケモンのフライゴン。
「フライゴン、火炎放射! 網を焼き払って船にも攻撃しな!」
フライゴンは業火を吹出す。
網を焼き尽くし、船にも炎が命中した。船体に火がつく。
「てめえ! この軍艦は高いんだぞ!」
オシリスの声が響く。船の中なので姿は見えない。
しばらくすると、水が噴出した。消火活動を行っているようだ。
この間に京はフライゴンを戻し、六人は全速力で逃げた。
エジプトは砂漠化していた。
「これだとどこにピラミッドがあるか分からないですよね…」
綾が不安げな声を漏らす。
「だな…。地図で見た感じピラミッドの周りは砂だらけだもんな…」
地理に詳しい平治も不安な様子だ。
「だがこれは今日中に突破しないと…砂の中で寝たくは無いからなあ」
秀夜も言った。
その時、近くに人影が見えた。
二人組だ。一人は傘帽子を被った昔の武士風の姿、もう一人はやけに派手な服装、髪は白と赤になっている。
「おい! お前ら! オシリスが怒ってたぞ!」
派手な方が怒鳴る。オシリス?
ってことは…
「B・S団か」
「その通り。あっしらはお前たちに勝負を挑みに来た」
武士風なほうが言った。
「で? まず名前は?」
秀夜がどうにも面倒くさそうに訊く。
「あっしはLの称号を持つロスト。武の心を重んじる者だ」
「僕はNの称号を持つノック。世界で一番美しい男だよ」
武士にナルシスト…
B・S団もネタ切れか、とも思えてきた。
「あっしらは、お主たちに」
「ダブルバトルを申し込むよ!」
続く