二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン 第六章終了 ( No.232 )
- 日時: 2011/01/30 17:54
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: RlxFuCMR)
第七章
日の入りが近い。
秀夜たちは夕日を背に、ボードで空を飛んでいる。
目的地は南アフリカ…の前に、ケニアへ向かうことになった。
ケニアには中立区域があり、一晩休んでいける。
「いやー、休めるとこがあって良かったなあ!」
京の声からは嬉しさが感じられる。
「またちゃんとしたところで寝られますね!」
綾も嬉しそうだ。大体寝袋で寝ているので、こういうところで寝るととても寝心地がよく感じられる。他の皆も気持ちは同じだろう。
ケニアまでは結構近い。にぎわった町が見えてきた。
騒がれるといけないので、町から少し離れたところに着陸し、町へ向かう。
ケニアの中立区域はインドとは雰囲気が少し違っている。
賑わっているのは間違いないが、人の顔ぶれが全然違う。国や文化の違いだろうか。
「ここって英語通じますかね…?」
綾が訊いてくる。
「英語は一応世界共通語に近いからな…何人かには通じるだろ?」
そう言ったものの、過半数以上の人が現地の言葉だろうと考えていた秀夜。
ところが、聞こえてきたのは…
「ねえ、ちょっとご存知?」
日本語だった。後ろを向くとアラフォー世代の女の人が二人。旅行に来て、その時期にB・S団に襲われ、帰れなくなった、といったところだろうか。
「南アフリカでは、B・S団の支配が酷いんですって。アフリカの南一帯を治めているユタって奴が鬼みたいな奴らしくて…」
「まあ、そうなんですの? 私たちは幸運でしたねえ。ちょうどここが中立区域に認定されましたものね?」
何だかとんでもなく嫌な話を聞かされてしまった気がする。
「ユタって誰だ?」
京が秀夜の耳元で小さく訊く。
「Yはヤルタだから…Uじゃないか?」
どうやら、そのユタという者が今回の敵になるようだ。
「ま、とりあえずそれは南アフリカに着いてからだ。何か買い物でもしてこうぜ」
秀夜は近くにある店を指差す。食材などが売っている店だ。
店では言葉は通じなかったが、ジェスチャーで何とかなった。
肉類、野菜類など、バッグに入るだけのものを買った。
「秀夜ー。何かホテルっぽいものがあっちにあるよー」
由衣が宿泊の建物か何かを見つけたようだ。
「おっ、サンキュー。じゃあそこに泊まるか」
秀夜たちはその建物に向かって歩き出す。どうやらホテルというかポケモンセンターだ。
人々のために親切に造られているのか、ここの宿泊料金は一切かからない。
部屋は三つ。皆が速攻で眠りに着いた。
朝がやってくる。
全員起きたようだ。疲れも大体とれた。
「さて、じゃあ今日は南アフリカか…」
秀夜はユタとかいう奴の話を思い出した。
厳しい強制労働をさせている、鬼のような奴、だそうだ。
しかし、怖がっていても何も始まらない。
「よっしゃ! 双子座ポケモン攻略に出発だ!」
続く
更新が遅れましてすんません><