二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン 第七章開始 ( No.237 )
- 日時: 2011/02/01 19:16
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: RlxFuCMR)
あらすじ
中立区域のケニアにやってきた秀夜たち。
準備を済ませている中、そこで、気がかりな話を聞く。
何でも、南アフリカの支配者が鬼のような奴らしく…
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朝日が上り始めている。
秀夜たちは南アフリカに向けて、ボードで空を飛んでいる。
「秀夜ー、ユタってどんなんだと思う?」
後ろから聞こえたのは由衣の声だ。
「鬼のような奴、らしいぞ?」
秀夜が適当に答えると、不満げに、そのくらい知ってるよー、と声が飛んできた。
「その後を訊いてるの。分かる? 高校生くらいになるとあたしもこうなっちゃうの? あー怖い怖い…」
秀夜は誓った。今後由衣の質問には一切答えない、と。
南アフリカはジャングル化していた。
まともに降りられそうなところが無いので、慎重に木々の合間を抜け、何とか着地する。
地面に降りると、辺りは薄暗い。木々が日光を遮っているのだ。
「おいおい、これじゃどこに何があるか分かんねえぞ?」
京が不満げな声を漏らす。
「とりあえず川を探そうぜ」
そう提案したのは平治だった。
「川が流れている方向に沿っていけば、必ず森から抜けられる。間違いない」
川は海に通じている。それに沿っていけば必ず出られるという考えだ。
しかし、川を見つけるまでは、探して歩き回るしかない。
「よし、皆。絶対に離れるなよ」
秀夜が指示し、六人は歩き出す。
すぐに何かを見つけた。怪しげなものを。
一部分だけ木が全く無い。まるで誰かに切り倒されたかのように。
そして、誰かいる。
「全く、ユタ様は人使いが荒いんだよな。そのくせ自分は城で座って指示するだけだろ? やる気無くなるっつーの」
B・S団の下っ端だ。
「おい、お前ら。茂みに隠れろ」
素早く指示し、秀夜たちは隠れる。隠れる場所はたくさんある。
秀夜はここの人達がどんな労働をさせられているか分かった。
ユタは、このジャングルの木を全て伐採する気だ。そのために、人々を使い、自分は高みの見物をしているのだ。
「よし、休憩終わりだ! とっとと作業に入れ!」
下っ端が叫ぶ。どうやらここにいるのは下っ端だけではないようだ。
現地の人々がいた。皆やせ衰えている。
なんて奴だ…。秀夜は怒りがこみ上げてきた。人々に仕事をさせ、自分はくつろいでいるとは!
その時だ。誰かがボードに乗ってやって来た。
下っ端が気付き、敬礼する。現地の人々も姿勢を正した。
「これだけの時間を与えれば、そこそこ進むと思ったが…まだこれだけしか進んでいないのか!」
黒服にサングラス、B・S団の制服を着た背の高めな青年だ。
「申し訳ありませんユタ様、しかしこいつらはもう使い物になりません。また新しい人材を連れてくる必要が…」
「黙れ! お前には厳しさが足りないのだよ! 武力で制すればよいのだ! それとも、このジャングルを全て焼き払うか? え?」
ユタが怒鳴る。何て奴だ…
ユタは下っ端にまた何か怒鳴り、戻っていった。下っ端は撤退を命じられたのか、人々を連れてどこかへ行ってしまった。
秀夜たちは隠れ場所から出てくる。
「何て野郎だ、あのユタって奴は…」
秀夜が呟く。
「おい、秀夜」
秀夜を呼びかけたのは京だった。
「あの下っ端、城って言ってたよな。なら—」
京はいったん言葉を切った。口調がいつもの京と違う。
「ここから飛んで、城探して、あいつをぶっ倒そうぜ」
続く