二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 天駆ける十二星座ポケモン 参照1500というのは幻覚です ( No.276 )
日時: 2011/04/01 21:29
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 3GsmIGqB)

あらすじ
タウロススとの激戦、勝負は五分五分。
そんな中、またとないチャンスが訪れる。
それを逃さず、秀夜のラグラージの拳がタウロススをとらえた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
タウロススは壁に激突した。
今の拳はかなり効いたはずだ。
「よっしゃー! これで勝ったんじゃねえか?」
後ろから京たちの声がする。秀夜も思った。
これで勝った。もし勝っていなくても、相手はもう起き上がれないと。
しかし、タウロススの方を見た秀夜は戦慄を覚える事になる。

タウロススはまだ立ち上がった。
そのねじれた大きな角が、一本折れているのにも関わらず。

右の角が半分くらい折れていた。
地面から強引に放されたため、その衝撃に耐えられなかったのだろう。
それでも、タウロススはまだ闘志を燃やす。
彼の心は、まだ折れていない。
「くっそ、中々根性あるな…」
呟く秀夜。
ラグラージも再び身構える。
そんな「敵」目掛けて、タウロススは怒涛の勢いで突っ込んでくる。
一本と半分の角を、思い切り振りかざし。
しかも、今度はただの角攻撃ではない。
角二本が光り輝く。その光は徐々に形を作り上げる。鋭く尖った、立派な巨大角へと。
これがタウロススの必殺技だ。折れている右角など関係ない。両方の角で、最大の武器で、相手を叩き潰す。
「あれは対抗できないな…。ラグラージ、素直に避けるぞ。とりあえず奴の射程範囲から離れるんだ!」
ラグラージは地面を蹴って、タウロススの後ろに回る。
しかし今度はタウロススも策があったようだ。
二本の角を地面に食い込ませ、勢いよく後ろへ送る。
削られた地面から、岩の破片が無数に飛んでくる。流石にこの数は避けられない。
「ハイドロポンプで蹴散らせ!」
ラグラージは水を鞭のようにしならせ、岩の破片を片っ端から落としていく。
その間に、タウロススは向きを変え、角を向けて突進する。
「これじゃ無限ループだな…。遣り合うしかねえ! ラグラージ、一か八かだ! 奴の顎狙ってアームハンマーだ!」
秀夜は迷わなかった。危険を顧みず、ラグラージに指示を出す。
ラグラージも迷わなかった。危険を承知で、タウロススに向かって迫る。
タウロススの角と、ラグラージの拳。
普通に当たっただけでは勝てないことは分かっている。
だから秀夜はまた指示を出す。ラグラージの重い拳を必ずぶつけさせるため。
「ラグラージ、体勢を下げろ!」
角が当たる直前で、ラグラージは体勢を落とした。
タウロススの角は鋭いが、逆に先端に当たらなければどうということは無い。
タウロススの顔に向かって突き進んだラグラージが、アームハンマーのアッパーをぶつけた。
タウロススは大きく吹っ飛び、今度こそ倒れた。
「よおおおおし!」
大きくガッツポーズを取る秀夜とラグラージ。
「いやー、最後の一撃は凄かったな!」
平治は本当に感心しているようだ。平治の言葉に、他の皆も頷いている。
老人が何か唱えると、タウロススは赤褐色の珠となった。それを秀夜に手渡す。
「よくやった。さて、ここから一番近いのはオーストラリアだが、今は危険なにおいがする。先にニュージーランドへ行き、様子をうかがうとよい。ニュージーランドには牡羊座のアリエイズが眠っておる」
「分かりました、ありがとうございます。よし、次は牡羊座だ。みんな、頑張るぞー!」


B・S団第二位、ヤルタは城の屋上にいた。
(あの柊 秀夜とかいう小僧の計画はどこまで進んでいるのだ? 情報によれば、サスケを破り、マダガスカル島の伝説ポケモンを探しているらしいが…)
ヤルタは秀夜たちの行動を特に危険視していた。
黄道台がこちらにあるとはいえ、彼らはWをも撃退している。
ボスは敗れないだろうが、それでも不安に変わりはない。
しかもボスは出張中、いつ帰ってくるかも分からないのだ。
それに気がかりな事もある。ロストが話していた、キセノンの行動。
ロストは奴が危険だといった。
「よおナンバーツー。何悩んでんだよ、お前らしくないぜ」
唐突に後ろから声がした。
まるで雨でも降っている時のような格好をした、屈指の頭脳派の男。
レイン。
前まではレインコート着用だったが、今はレインコートは着ず、ジャージに傘という服装だ。
「それはそうと、有益な情報があるぜ。お前に言われた通り、この一週間キセノンを見張ったんだがな」
こいつは大ニュースだぜ、とレインは続け、
「メカニックの野郎とキセノン、例のミサイルを隠れて製造してやがる。こいつはボスに知らせたほうが懸命かもな」
僕ちんは行かねえけどな、とレインは言い残し、姿を消した。
(私はボスに会いに行く。何なら、その後で柊 秀夜の元へ行き、奴らを蹴散らす…ッ!)
ヤルタは拳を握り締め、それからモンスターボールを取り出した。

第八章 終了
第九章に続く