二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン 第八章終了 ( No.281 )
- 日時: 2011/04/01 19:19
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 3GsmIGqB)
第九章
秀夜たちは今海の上を飛んでいる。
マダガスカル島では夜を越せないという事で、ケニアに戻って二日休んだのだ。
今はニュージーランドに向けて飛んでいる。
「またオシリス軍とか襲ってこないですよね…」
綾が不安がっている。海を渡る時にはことごとく奴に会ってきたからだ。
しかし今回は近くに軍船は見当たらない。
「もう奴の軍船は分かった。少しでも目に入ったら全力で逃げるぞ」
その時、陸が見えてきた。
「おい平治、あれか?」
地理や歴史に詳しい平治に訊く。
「たぶんあれはオーストラリアだ。危険って言ってたし、早めに通ったほうがいいかもしれねえな」
秀夜は平治の提案に乗ることにした。
「よし、少しスピードを速めるぞ。ついてこいよ!」
秀夜はスピードを上げた。五人も後に続いてスピードを上げる。
オーストラリアは荒野と化しているように見えた。高度の関係もあるが、人がいる気配はない。
その時、真下で爆発音が聞こえた。下を見ると、煙が上がっている。
「何か怖いぞ。もっとスピード上げるぞ!」
秀夜は言うが早いか、速度をマックスまで引き上げた。
五人も続いてきている…それは秀夜の想像だ。
海が見えてきた。六人は一気に大陸上空を駆け抜ける。
そこから、もう一つの陸が見える。
「秀夜、あれがニュージーランドだ」
後ろから平治の声がした。秀夜たちは徐々に高度を下げていく。
秀夜たちは草原に着陸した。
花が咲き、何だか自然公園のようなところだ。
しかし六人には分かる。
この自然は、B・S団のミサイルによる狂った自然だと。
「何だこりゃ…一見美しく見せてるが、実は世界の歪みの影響だってことだよな」
京が呟く。
そんな時、
「あー! あっちに誰かいる!」
由衣が大声を上げて向こうを指差す。
五人もつられて振り向くと、確かに二人の人影がある。
一人は幼い子ども、もう一人はその母親…だろうか?
向こうもこちらに気付いた様だ。
子どもが大人の手を振り切って走ってくる。大人もその子供の後を追いかける。
ようやく容姿が見えてきた。
まず子どもはピンク髪でツインテール、顔からすると由衣と同年代かそれより下の女子だ。
目を引くのは耳についた合計六つのピアス。
大人は女性三十代半ばくらいの顔つきで、どこにでもいそうな格好をしている。
顔はあまり似ていないが、共通点はある。
胸のB・S団の刺繍だ。
(くっそ、何でこんな速攻でB・S団と出くわすんだよ…)
まさかB・S団が普通に道を歩いているとは思わなかった。
その子どもが近寄ってきて、秀夜たちの前で立ち止まった。
大人のほうも子どもに追いつく。
「B・S団が何の用だ?」
秀夜が口調を荒げて訊く。
対して、その二人はあまり気にせず、自己紹介に入る。
「まーまー、そう怒らないの。あたしはピアス、称号はPだよ!よろしくね!」
「私はこの子の面倒見役ですよ。称号はQ、名はクエスト。貴方が柊 秀夜ですね?」
何だこいつら…何だか今までと雰囲気がやけに違う。
「私たちへのボスからの指令は貴方たちと戦う事なのですよ。この子、ピアスのポケモンバトルの相手をお願いしたいのですよ」
続く