二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン ( No.293 )
- 日時: 2011/04/11 22:44
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 3GsmIGqB)
あらすじ
ついに現れたアリエイズ。
前回のタウロススよりも高いパワーを誇る強敵だ。
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「ラグラージ、ハイドロポンプ!」
ラグラージは大量の水を放射して攻撃する。
対するアリエイズは鋼の毛皮で水を跳ね返し、今度はアリエイズが突進する。
ラグラージはジャンプしてアリエイズを飛び越え、距離を取る。
「アームハンマー!」
後ろについたラグラージはすかさず拳を振るってアリエイズに向かう。
アリエイズは少し反応が遅れ、結果としてアームハンマーがついにアリエイズをとらえる。
「よし、でも深追いするな。いったん退け!」
秀夜のこの判断は適正だった。
アリエイズはさっきまでラグラージがいたところに角をぶつけようと顔を突き出してきた。
「そこが隙だぜ! ラグラージ、ハイドロポンプ!」
ラグラージのハイドロポンプが吹出し、再びアリエイズに命中。
だんだん秀夜のペースになってきた。
「いける、こりゃいけるぞ!」
しかし、
アリエイズは次なる行動に出た。
アリエイズの鋼の毛皮の尖った先端が伸びたかと思うと、次にはミサイル針のように針が飛び出す。
ミサイル針とは違い、光沢が見える。
「ラグラージ、ハイドロポンプでなぎ払え!」
ラグラージは水を鞭状にしなり、針を落としていく。
しかし、勢いのある針はそう簡単には落ちなかった。
残った針がラグラージをまともにとらえる。
「ラグラージ! 大丈夫か!」
鋼技のようなので効果は今ひとつだが、それでも無数の針が体に刺さるその痛みは相当なものだ。
アリエイズはタウロススと違い、飛び道具まで用意しているのだ。
「怯んでても勝てねえ! 地震攻撃!」
ラグラージが大きく飛び上がり、落下の衝撃で衝撃波を起こす。
アリエイズはジャンプして衝撃波をかわす。
「アームハンマー!」
アリエイズの隙を逃さず、秀夜は指示を出す。
ラグラージは空中にいるアリエイズに拳を向け、突進する。
アリエイズは角で拳を跳ね返そうと、角を構える。しかしそこに隙が出来る。今度の秀夜は、その隙を逃さない。
「ハイドロポンプ!」
ラグラージの口から大量の水が噴出し、アリエイズの額に命中する。
アリエイズは地面へ落下するが、まだ体勢を整えようとする。
しかし秀夜はその隙を与えない。与えるわけにはいかない。
「ラグラージ、渾身のアームハンマー!」
ラグラージはその拳を真っ直ぐ掲げ、急降下。
やっと体勢を整えたアリエイズの額にもう一撃、必殺技をお見舞いした。
この攻撃には耐えられず、アリエイズは地面に崩れ落ちた。
ラグラージの勝ちだ。
「よおおおおおし!」
秀夜は高らかに叫ぶ。
「やったじゃんよ! こりゃ本当に世界を救えるぜ!」
京も興奮して叫ぶ。皆喜んでいる様子だ。
老人の言葉によって、アリエイズは朱色の珠となり、八個目の珠が秀夜の手元に納まった。
「ところで、次のオーストラリアじゃが、白い軍服を来たB・S団の男がずっとそこを離れないとの連絡があってな。お主は奴と戦うことになる。準備をしっかりしておくがよい」
その男には心当たりがある。
オシリス。B・S軍隊の大総統だ。
遂に、奴と決着をつけなければならない。
ヤルタは、アジトを任されているキセノンを訪ねた。
このキセノンという女は、B・S団の中でもとにかく不気味な存在だ。
真っ黒なフードは体を覆いつくし、僅かに見えるはずの口元も布で覆い、手には悪趣味な模様にB・S団の印がついた手袋を着けていて、彼女の肌は全く見えない。
「うちの部下から報告を受けて来た。貴様、例のミサイルを密かに製造しているだろう。どういうつもりなのか説明したまえ」
ヤルタの言葉は、それだけで場を支配するような重みがあった。それを聞いた者は従わざるを得なくなるような、そんな重みだ。
しかしキセノンは、そんな重みをあっけなく崩した。
鼻で笑って。
「お前に関係あることではないわ。アタシが何をしようが、アタシの自由でしょ? いいでしょ別に。B・S団に迷惑を掛けている訳じゃないし」
ヤルタが黙り込むと、キセノンはさらに続ける。
「そういうお前はなんなのよ。ボスほど力もない、偉くも無いくせに、臨時のボスを任されただけで天狗になっちゃってさ。お前の顔見てるとムカつくのよね〜。だからとっとと帰って?」
キセノンはそれで言葉を切り、奥へ去っていく。最後に目で『とっとと帰れ』と伝えて。
「…」
ヤルタはしばらく黙ったままだった。
アジトを出ると、腕につけた通信機が音を鳴らす。
『ヤルタ様。レインが反乱分子、レジスタンスの本拠地を見つけたのですよ』
相手はクエスト。
「そうか。レジスタンスといえば、各地の元チャンピオンや四天王たちの集まりだったな。で、場所は?」
『南アメリカ、アルゼンチン中央付近ですよ。B・S団の大規模なゴミ捨て場として使われている所ですよ』
ゴミ捨て場に隠れればほとんど見つからないとでも思ったのだろう。事実、そこに住んでいるのはほとんど難民だった。
しかし、B・S団の情報網は一流以上。
「そうか。よし、ではレイン、ロスト、ノックに伝えろ。レジスタンスを狩ると。私とその三人とお前たち二人で行くぞ」
『了解したのですよ』
通信はそこで切れた。
(私は臨時でもボスだ! 反乱分子ども、そしてキセノン、一泡吹かせてやる! 覚悟しろ!)
ヤルタは久し振りに、本当に久し振りに笑った。本当に嬉しそうに、勝ち誇ったように。
第九章 終了
第十章に続く