二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン 第十章開始 ( No.301 )
- 日時: 2011/04/15 21:25
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: 3GsmIGqB)
あらすじ
オシリスとの決戦が始まった。
オシリスのハガネールは持ち前のパワーでジャローダを攻める。
しかし、これで秀夜の心に火がついた。
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「あ…あれは秀夜の本気モード…」
二人のバトルの傍らで京が震えだす。
「本気モード?」
綾が訊く。他三人も気になる様子だ。
「秀夜はポケモンバトル中、極稀に何らかの影響で魂が燃える時があるんだよ。漫画とかでよくある本気とかとは違って、秀夜のは口調が静かになる。でもな、そこから発せられるオーラがもの凄えんだよ…。あと秀夜はそのときだけめっちゃ残酷になる」
改めて五人は秀夜のほうを見る。
秀夜の顔は少し笑っている。戦いの楽しさを隠しきれないように。
「ジャローダ、宿木の種」
ジャローダは小さい種をもう一度発射する。
ハガネールに当たると、蔦が飛び出し、ハガネールに絡みつく。
「無駄だ! 先ほど通じなかったのをもう忘れたか!」
宿木の種は一度龍の息吹によって突破されている。またハガネールがそれをすれば、状況は変化しない。
しかし、
「ジャローダ、悪いがグラスボンバーを二度使ってほしい」
秀夜には策があった。オシリスに聞こえないよう、小さく呼びかける。
ジャローダは即答した。すぐに首を縦に振った。
「すまないな…」
そう言った後、秀夜はオシリスの方に向き直る。
「速攻で焼き払ってくれる! 龍の息—」
「一発目」
秀夜の指示のほうが早かった。ハガネールが炎を吹く直前、ジャローダは大きく叫んで、周りの植物を急成長させる。
その植物がハガネールに絡みつく。急に絡みつかれたハガネールは体勢を崩し、龍の息吹は見当違いな方向へと飛んでいった。
「くそっ! ハガネール、そんなもんとっとと蹴散らせ!」
ハガネールは植物から逃れようともがく。しかし、
「いや別にそんなことしなくても助けてやるよ。ジャローダ、目覚めるパワー」
ジャローダは周りに不思議な力を集め、一気に解き放つ。
炎技のため、ハガネールに当たっても効果は抜群だが、秀夜の期待はそこではない。
ハガネールに絡み付いていた植物は目覚めるパワーによって燃え出す。
ハガネールが、火だるまと化した。
「…ッ! まずい、まずいぞ! ハガネール、穴を掘る!」
まだ倒れていない事が不思議なのだが、ハガネールは地面に潜った。とりあえず火を消せた、とオシリスはほっとしているのだろうが、秀夜はそんな隙を与えるつもりは無い。
「二発目」
秀夜は短く言った。ジャローダはそれに応える。渾身の力を振り絞って、植物を成長させる
…技なのだが、何も起こらない。
「馬鹿が! その技を二連続で使えるポケモンはごく一部! 残念だが失敗だったな。何をしようとしたのかは知らんが、チェックメイトだ! 飛び出せハガネール!」
オシリスは勝ちを確信したようだった。
しかし、肝心のハガネールは出てこない。
「…! 馬鹿な、何が起こっている! ハガネール、出て来い! ハガネール!」
「出てこねえよ」
秀夜はこれを狙っていた。ジャローダは、植物の根を伸ばし、地中でハガネールを絡めとったのだ。
「さて、オシリス君、質問です」
秀夜はニヤリと笑う。
次第に青くなっていくオシリスをさらに追い詰めていくように。
「ここから俺が穴の中に炎技を流しこんでハガネールをまた火だるまにしたら、ハガネールはどうなるでしょう? 正解者には敗北をプレゼントいたしますよ」
「な…バ…馬鹿な…そんな…馬鹿な!」
完全にパニクるオシリスを無視し、
「目覚めるパワー」
ハガネールが潜った穴の中に炎をぶち込んだ。
間違いなくハガネールは戦闘不能だろう。
「…くそっ、くそおおおお!」
オシリスは地面を殴りつける。
秀夜は息をつくと、ジャローダをボールに戻す。
オシリスとの戦いは、三度目にして、ようやく決着した。
続く