二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 天駆ける十二星座ポケモン 第十三章終了 ( No.354 )
日時: 2011/06/12 21:51
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: cebg9jtM)
参照: 細かく切った葱に鰹節と醤油をかけて食べたときの美味しさは天下一品

第十四章

秀夜たちは、メキシコのポケモンセンターに泊まり、次の日、アルゼンチンに向かった。
大悟や白那、梓たちに、十二星座ポケモンを全て集めたこと、B・S団の本拠地に向かうことを伝えておいたほうがよいと思ったからだ。
前訪れた、レジスタンスの基地を訪ねる。
「合言葉は?」
中からは聞き覚えのある大悟の声が。
「自由を我らに」
秀夜は前聞いた事があるので、合言葉を知っている。
ドアが開き、中から大悟が出てきた。
「おや、柊君! どうしたんだい? たしかメキシコへ行ったと、白那さんから聞いていたが…まあいいか。ここで話すのもあれだし、まあ中へ入ってよ」
大悟は六人を中へ案内する。


「そうか、分かった。丁度いい。そろそろ僕たちも行動を起こそうと思っていた頃だ」
秀夜たちが例のことを話すと、大悟はそう言った。
「奴らの本拠地はニューヨークにあるそうです。僕たちは明日にでも行こうと思っているのですが」
秀夜がそう伝える。すると大悟は、何か納得したような顔をし、
「なるほど。どうりで奴らの本拠地が分からなかったわけだ」
「え、それどういうこと?」
由衣が訊く。大悟に対してタメ口なのは白那と由衣だけだろう。
「ニューヨークは、B・S団の支配が特に強かった所なんだ。そのため、あそこの情報はほとんど流れてこなかった。B・S団め、上手い具合に世界の中心を支配したものだ」
最後の言葉は独り言に近かった。
「とりあえず、僕たちも後でニューヨークに行く。柊君たち、先に行くなら、気をつけてね」
大悟はそう言ってくれた。秀夜たちはアルゼンチンを発ち、ニューヨークへ向かう。


秀夜たちがニューヨークの上空に入ると同時、冷たい悪寒が六人を襲った。
夜でもないのに空は暗く、怪しい雲が渦巻いている。
更に、雨こそ降っていないが、たまに稲妻が走る。
皆の顔が引きつる。心の中に生まれてくる恐怖心が、平常心を少しずつ蝕んでいく。
「…ええいお前ら! 気合出せ気合! ここまで来たら、絶対に最後まで諦めんぞ!」
後ろから、平治がみなに喝を入れる。
「そうだな。平治の言うとおりだ! 皆、全力で行くぞ!」
叫んで、秀夜は再びボードを発進させる。五人も後に続く。
しばらく進むと、巨大な黒い城が現れた。
ユタの天守閣の城や、ピアス&クエストの可愛らしい城と比べても大きさがまるで違う。
もの凄く大きい。天を貫く大きさだ。
下を見ると、門がある。どうやら、そこから入るしか無さそうだ。
「よし、行くぞ」
秀夜たちは降下し、門へと進む。


門の前には、門番役の下っ端が二人いた。
「ここを通せ。通さなければ少々暴力的な手段をとらせてもらう」
秀夜が冷たい声で言った。とは言ったものの、ただで通してくれるはずが無い事は計算済みだ。何かしらの条件をかけてくるだろう。
対する門番は、怯える事も無く、淡々と言った。
「お前たちなら通せと、ヤルタ様に言われた。しかし、一人人質を取らせて貰う。一応言っておくが、門番の俺たちはボス直々にポケモンを頂いている。お前たちがバトルで勝てる見込みは無い」
ほぼ予想通りの展開だ。おそらくポケモンを奪われるか、仲間を連れて行かれるかと予想していた所だ。
人質一人は確かに重いが、予想していたほどではない。
「人質はこちらで決める。そうだな…そこの一番後ろのお前、来い。お前はメカニック様のトレインロトムを一撃で制す強さを持っており、頭もよいとの報告がある。お前が一番厄介だと判断した」
下っ端たちが指名したのは、斬人だ。
斬人が前へ進み出る。
「心配するな。必ず助ける」
下っ端たちに連れて行かれる前に、秀夜は斬人に呼びかける。
斬人は声には出さなかったが、微笑して頷いた。
門番の下っ端たちは門を開け、奥へと消えていく。
秀夜たちは、中へと乗り込んでいく。

続く