二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン ( No.361 )
- 日時: 2011/06/24 22:59
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: cebg9jtM)
あらすじ
ヤルタの伝説のポケモン、テラキオンと互角に戦うラグラージ。
しかし、途中でテラキオンの猛攻を受け、一気にピンチに陥ったラグラージ。そして…
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シザークロスが、ラグラージに直撃した。
ラグラージは、当然技を避ける事などできず、正面から攻撃を受けたのだ。
「ラグラージ!」
秀夜が叫ぶ。しかし、秀夜は分かっている。望みは無い。
「終わったな。私の勝ちだ」
ヤルタはそう言って、モンスターボールを出し、テラキオンを戻そうとする。
と、そこでヤルタは動きを止めた。
ジザークロスがラグラージを貫いたのなら、テラキオンは勢いでラグラージの後ろまでまわっているはずだ。
しかし、テラキオンはラグラージの正面から動こうとしない。
動けるはずも無かった。
ラグラージが、その角を受け止めているのだから。
「何だと…ッ!?」
思わず驚きの声を上げるヤルタ。
ラグラージのダメージを考えれば、有り得ない行動だった。あのダメージで、あの威力のシザークロスを防ぐのは不可能のはずだった。
「…よし、いいぞ、ラグラージ! お前はやっぱり俺の最高のエースだ!」
秀夜は嬉しさのあまり叫んでいるが、ラグラージは気に留めない。
自分を倒そうとした、こいつを叩き潰す。ラグラージの目は、怒りに燃えていた。
ヴァーミンガムのネクロシアを睨んだ時と同じように。
だが、ヤルタもすぐに落ち着きを取り戻す。
「…フッ、全く貴様のポケモンは大したものだ。だが忘れたか、さきほど貴様のラグラージは角を掴んだ直後に投げ飛ばされている事を! テラキオン、投げ飛ばせ!」
テラキオンはラグラージを持ち上げる。しかし、秀夜は焦らない。
「ハイドロポンプ!」
ラグラージは水を大量に噴射して放つ。しかし、その水の威力は先ほどとは桁違いの威力だった。
テラキオンは、その水の勢いに耐えられずに、吹っ飛ばされる。
「何…ッ?」
ヤルタがまた驚きの声を上げる。ここまで予想が外れるヤルタも珍しい。
「まだまだ甘いな、ヤルタ」
秀夜は勝ち誇るように言った。
「こいつの特性は激流。ピンチになれば水技の威力は跳ね上がる。今のこいつのハイドロポンプの威力は半端ない!」
テラキオンはまだ起き上がる。しかし、
「止めだ! ハイドロポンプ!」
最後の力を振り絞って、ラグラージは水を噴き放つ。
起き上がったばかりのテラキオンは反応できず、再び水の直撃を受ける。
テラキオンは吹き飛ばされ、戦闘不能となった。
「…私の負けだ。まさか貴様がここまで強いとは思わなかったぞ」
ヤルタはテラキオンをボールに戻す。そして秀夜に近寄る。
「まだ何か用か?」
秀夜は言うが、
「怯える事は無い。貴様のポケモンを回復してやる」
ヤルタはそう言うと、秀夜のポケモンを全て回復させた。
「通るがよい。そしてボスと戦え」
ヤルタはそう言って、道を開けた。
秀夜はまっすぐ走り、ドアに向かう。ノブに手を掛け、ドアを強引に開ける。
そこは、未来めいた部屋だった。
灰色と銀色のタイルで作られた壁や床。天井には太陽系のモデルが設置されている。
壁には何やら訳の分からない記号や文字が描かれている。
正面には机があり、その向こうの椅子には、青と黒を基調としたB・S団の服を着た何者かが背を向けて座っている。
その時だ。
「秀夜!」
大きな声と共に、四人の人間が駆け込んできた。
京、綾、平治、由衣の四人だ。
「秀夜さん、皆勝ちました! 全員無事です!」
息を切らしながら、綾が言った。
「そうか…よかった。さて、お前ら、下がってろ。俺はこいつと—B・S団ボスと、戦う。そして勝つ!」
秀夜が怒鳴った。すると、
「ほう。なかなかの意気込みだが、果たして…俺に勝てるか?」
椅子が回り、今まで背中を向けていたボスがこちらを向いた。
その瞬間、秀夜は驚愕を覚える事になる。
そう、何故なら—
「よお、秀夜。俺がB・S団ボスじゃ、不満かい?」
そこにいたB・S団のボスは、紛れも無く、あの黒星 斬人だったのだ。
「改めて自己紹介をさせてもらう。俺の名はザント。Zの称号を持つ、B・S団のリーダーだ」
黒星 斬人の、いや、ザントの、感情のこもらない声だけ響いた。
第十四章 終了
最終章に続く