二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 天駆ける十二星座ポケモン —最終章、開始— ( No.370 )
日時: 2011/06/30 22:18
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: cebg9jtM)

あらすじ
マタドガスをランクルスが倒し、一対一。
しかし、ラグラージと対峙したサザンドラは、とてつもなく強く…
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「だったら、ハイドロポンプ!」
ラグラージはサザンドラに近い位置から大量の水を噴射する。
「無駄だ。弾き返せ」
サザンドラは尻尾で水を簡単になぎ払うが、
「そこだ! アームハンマーだ!」
サザンドラが背中を向けた隙を狙って、ラグラージは拳を鉄槌のように叩きつける。
ハイドロポンプを至近距離で放ったのは、この隙を作るためだった。
今度は決まった。サザンドラが振り向き直った瞬間に、拳がサザンドラの脳天に直撃した。
サザンドラは悪タイプも付いている。アームハンマーは格闘技、効果は抜群だ。
「相手を休ませるな! 冷凍パンチだ!」
ラグラージは、続けざまに拳を振るう。今度は冷気をまとったパンチを見舞う。
頭に拳の直撃を受けたサザンドラはまだ体勢を立て直しておらず、冷凍パンチをまともに受ける。
これも効果は抜群だ。
吹っ飛ばされたサザンドラだが、ようやく体勢を立て直した。
「どうだ、ザント。これがこいつの力だ。今のはお前のサザンドラにもなかなか効いただろう!」
秀夜が自信を持ってザントに言った。
対して、ザントは特に焦りを見せる事も無く、落ち着いている。
そのザントが口を開いた。

「そうか。今のお前の話を聞いた限りでは、そのラグラージの力はその程度、ということか?」

今度こそ訳が分からなかった。
今の二発はかなりのダメージのはずだった。
そんな二発を受けたポケモンのトレーナーの口から、そんな言葉が飛び出すはずが無い。
少々なりともの共感はあるはずだった。少なくとも、なかなかやるな、くらいの思いはあるはずだ。
しかし、ザントにはそんな思いは全く無さそうだった。
続けて、ザントはまた口を開く。

「分かってるか? こいつはまだ、一回もお前のラグラージを攻撃してないんだぜ?」

直後、ザントの目つきが一変した。
薄ら笑いすら浮かべていた余裕の表情から、一気に真剣な表情へと変化する。
「サザンドラ、龍の波動!」
サザンドラは龍の力を凝縮し、波動に変えて撃ち出す。
ヤルタのドラドーンのものとは威力が桁違いだ。まず、サザンドラの龍の波動には恐ろしいほどの勢いがある。
「跳ね返せるぞ! ラグラージ、アームハンマーだ!」
ラグラージは腕を横にスイングし、丁度打ち返すような形で波動と激突する。
しかし、パワーは互角で、ラグラージはなかなか波動を跳ね返すことが出来ない。
「龍の波動だ」
もう一撃、サザンドラは波動を放った。
この体勢のラグラージが避けられるはずもなく、波動はラグラージを直撃する。
ラグラージが吹き飛ばされた。拳と拮抗していた波動も腕にダメージを与え、たった二発の龍の波動でラグラージはかなりのダメージを受けた。
「ちくしょう、突っ込むぞ! 冷凍パンチだ!」
ラグラージは床を蹴って、ジャンプする。
その勢いでサザンドラに突っ込み、拳をぶつけんと構える。
「甘い! 龍の波動だ!」
サザンドラは竜の力の波動を撃ち出す。
冷凍パンチと拮抗するが、氷技はドラゴン技に強い。龍の波動を打ち砕いた。
「ならば大文字だ!」
サザンドラは大の字型の炎を発射し、冷凍パンチを相殺する。
「そして龍の波動!」
直後に素早く波動を放つ。ラグラージに命中し、ラグラージを吹っ飛ばす。
ラグラージの体力は残り僅か。しかし秀夜はこれに賭けていた。
「これしかねえ! ラグラージ、激流ハイドロポンプをぶつけてやれ!」
ラグラージは大量の水を放つ。その勢いは恐ろしく強力で、龍の波動なら楽に打ち返せそうな勢いだった。
それでも、ザントは顔色一つ変えなかった。
「終わりだ。サザンドラ、クリムゾンエイト!」
サザンドラは口から、血のように真赤な八つの花弁のような光線を放つ。
血の花弁のような光線は、ラグラージの必殺の一撃を難なく貫き、そのままラグラージを貫いた。
あのハイドロポンプを難なく貫くような攻撃を今のラグラージが耐えられるはずも無く、ラグラージはむなしく地面に落ちる。
そのラグラージの姿は、どう見ても戦闘不能だった。
「……」
秀夜は言葉が出なかった。現実を受け止める事が出来なかった。
自分が負けたという、その現実を。

続く