二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天駆ける十二星座ポケモン ( No.86 )
- 日時: 2010/12/09 21:25
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: L46wKPpg)
あらすじ
暴走列車と化したロトムはとてつもなく強い。
地面タイプのラグラージも、目覚めるパワーで一掃。
どうすればいいんだ!
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「かーっかっかっかっか! 何だ、もう策が尽きたか?」
メカニックが嘲笑う。
だが実際、秀夜には作戦が思いつかなかった。
並のポケモンでは突進を受けきれず、地面タイプは目覚めるパワーで負ける。
「くっそ…」
メカニック。その称号はMと低め。
だが、それは何もないバトルフィールドでの『M』。武器さえあれば、そいつは鬼と化す。
「そろそろとどめじゃ! まずはそこの三人、死ね!」
そこの三人—京、綾、由衣を狙って、電車が突っ走る。
三人は完全に足がすくんでいる。秀夜が走ったところで、間に合うはずもなかった。
「勝った!」
メカニックはガッツポーズを見せ、そのまま三人を轢き殺す。
はずだった。
ロトムは三人を捕らえ切れなかった。どうしても前へ進めず、吹っ飛ばされたのはロトムの方だった。
「ぐわあっ! な、何事じゃ!」
驚くメカニックがフロントガラスから前を見る。そこにいたのはターゲット三人と、その前に立ちふさがるポケモン。
悪魔を思わせる黒い体に白い曲がった角、尖った尻尾。地獄の死神、ダークポケモンのヘルガー。
「なんじゃとお? あんな華奢なポケモンが跳ね返せるはずがない!」
逆上するメカニックを、ヘルガーが睨む。そのヘルガーに近づいてきた、そのヘルガーのトレーナーは—
謎の男、黒星 斬人だった。
「斬人!」
京が歓喜の声を上げる。斬人はそれには答えず、下がってろ、と指示し、メカニックを睨む。
「ヘルガー、火炎放射!」
ヘルガーは口から地獄の業火を放つ。炎は次第に膨れ上がり、ロトムを襲う。
「ば、馬鹿な! ロトム、十万ボルト!」
ロトムの放った十万ボルトは、しかし、炎にかき消され、炎が電車を包んだ。
「くっそ、くっそお! これで決めてやる! ロトム、こやつごと轢き殺せえ!」
炎に包まれながらも、ロトムは突進する。まるで巨大な炎の弾だ。
だが、斬人は動じない。笑みさえ浮かべる余裕がある。
「…滅びよ。ヘルガー、ダークロアー!」
ヘルガーは悪意に満ちた咆哮を上げ、黒い衝撃波を放った。
衝撃波に飲み込まれた列車は次第に速度を下げ、止まる。
そして、大爆発した。
「うわあああああああ!」
メカニックの悲鳴と、京たちの驚きの悲鳴が重なる。
煙が消えると、そこには何も残っていなかった。あるのは大地のみ。
「くっそ、お、お、覚えておれ!」
上空からメカニックの声がした。どうやら辛うじて助かったようだ。
秀夜と、別の場所に隠れていた平治が駆け寄る。京たちはヘルガーのカウンターで守られたようだ。
「斬人、助かった。トロピカルの時もだったよな、ありがとな」
秀夜が礼を言う。
「俺はやれることをやっただけだ」
斬人はそれだけ言うと黙り込んでしまった。
「さて、石碑を探そうぜ…ん?」
平治が少し離れたところを指差す。そこには、見覚えのある石碑があった。
「さて、お出ましだな」
秀夜がスイッチを押すと、案の定道が開いた。
「…よし。じゃあ、行こうぜ!」
続く