二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *小さな初恋* 【イナズマイレブン】 ( No.79 )
- 日時: 2011/02/11 20:44
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: eMRX3Yay)
第三十六話【打ち勝て!エイリア学園】
「癖……ですか?」
「そう、パスをする時の癖があるんだよ」
エイリア学園との戦いは、もうすぐロスタイムに突入する。そこで、一之瀬さんにアドバイスを貰っていた。宇宙人にも癖ってあるんだなぁ。やはり、人に近い存在だからなのかな。いや、私、宇宙人なんて絶対いないと思ってたのに。この世界に存在するのは、サンタさんと人魚くらいだと信じてたのに……
「まあ、カットは俺に任せてよ!桃花ちゃんは、FWへボールを繋いでくれ」
ちゃん付けされるとこそばゆい。でも、この人も帰国子女なんだっけ。アメリカからきたんだよね。うーん、なら、こういうノリでもおかしくないか。うんうん。
「我々が失点だと……!? こんなこと、あってはならないのだ……!」
先程の余裕さはどこへやら。私には、レーゼが焦っているように見えた。それだけではない。彼等は、"敗北"を何よりも恐れているように思える。もしかしたらこの戦い、簡単には終わらないのかも。いや、ジェミニストームが——宇宙人たちが、そうあっさりと譲ってくれるはずがない。しかも今は、雷門イレブンが試合の主導権を握っているのだから。相手も危機を感じているだろう。だとしたら尚更、相手の動きを見極めなければならない。
『世紀の一戦は、いよいよロスタイムを迎えました。さあ、はたして勝利をもぎ取るのは、エイリア学園「ジェミニストーム」か、雷門イレブンなのか!?』
そしてまた——笛の音は、鳴り響く。
*。+
積極的に攻めあがる雷門イレブン。だけど、ジェミニストームも黙って見過ごしてくれるほど、甘くはなかった。
「……真の強さを、見せ付けてやる!」
トップスピードでボールを運ぶレーゼ。士郎は今、前線へ上がっていてとてもじゃないけどディフェンスには参加できない。こうなってしまっては、GKとFW——円堂さんとレーゼの、一騎打ちだ。
「決める……"アストロブレイク"ッ!!」
渾身のシュートが今、雷門ゴールへむけて放たれた。この試合、一番の威力を誇るかもしれない。さっきよりもパワーアップしてるし……円堂さんが止めてくれないと時間的にも体力的にも皆さん、限界だよ。円堂さん、皆さんの思いを背負って止めて下さい。学校を破壊された方々の為に。病院で待っている、円堂さんの仲間たちの為に。その想いに報いるため、どうか止めて下さい……っ!
「仲間のためにも、傷ついた人たちのためにも……止める! "マジンザハンド"!」
シュートのパワーに押され気味だった円堂さん。が、途中、ボールの威力はどんどん吸い込まれていき——気付くと、モノクロのサッカーボールは、円堂さんの腕にがっちりとキャッチされていた。円堂さんが初めて、宇宙人のシュートを止めたんだ。マネージャーさんや瞳子監督が笑み崩れたところを見て、私も少し、落ち着けた。円堂さんは、本当に凄い……!