二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:原子の擬人化第四話 「彼女たちの名はボーカロイド」 ( No.10 )
日時: 2010/11/20 18:45
名前: 嘉佳緒 (ID: qrnJbgt/)

 「いい?人は安らぎを求めているの。それなら私たちが歌はないでどうするの?さあっ!題名変更!題して!『人間に安寧と安らぎを与える歌は何にするか』!!」

 ミクはホワイトボートにマジックペンできゅっきゅっと書き直すと、ばんっと叩いて力説した。
 勝手に入ってきて、あまつさえ題名を上書きする。 水素は呆気に取られて言葉を失った。
 しかしそんなダメ水素をホローするかのようにリンが割ってはいる。

 「誰だッ!お前は!!ここは原子世界でお前達人間が入って良い場所じゃない!!帰れ!!!」

 今更である。リンは血相を変えて捲くし立てた。
 そして扉を指差して促す。
 しかしミクは憤然と言い放った。

 「どの世界も侵入して良い領域よ。それに私たちは『人間』じゃない。『ボーカロイド』よ」

 「ボーカロイド?」

 「カイト。説明してやって」

 後ろに控えていた青髪と青いマフラーが特徴の青年が前に出る。

 「ボーカロイドというのはね、歌を歌う機械のことなんだ。『ボーカル』と『アンドロイド』を混ぜただけ。わかったかい?」

 簡単に説明したカイト。それだけでも意味が通じるところが凄い。
 リンは何もいえなくなった。
 機械。原子が融合して出来たもの。
 それがペラペラと喋ったいるのだ。
 片言が有名な機械人形が。何の詰まりも無く。
 カイトは満足したのか後ろに退散した。
 ミクはどうだと顔を綻ばせる。
 リンは————いや、原子たちは目の前に居るボーカロイドたちを目に、何も言わなくなった。
 というより、驚いた目を見開いて言葉を失っている。