二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】孤独な双子の少女の初恋 ( No.3 )
日時: 2010/11/22 21:06
名前: 桃 ◆8FGTmWBuVw (ID: FbaZhPAX)

1【転校】



どうして!?!?



それはある女の子の大きな声だった。そばにいた女の人が悲しそうな顔をしながら女の子の肩にポンっと手をおきながらいう。


施女「これも運命なの……」


女の子はキッと女の人をにらみ突き飛ばす。


あの人は、あの人は何もわかってない!!何も……。


そう、ここは赤路施設といい、親を亡くした子供たちが住んでいるのだ。育てるのは施設のお姉さんたちであり、そしてこの施設を建てたのがこの女の子の亡き父だった。


その亡き父の施設を守ろうと思っていたのに、このままじゃ意味がない……。

女の子は走って部屋に向かう。ドアを思いっきりあけるとそこには、走ってきた女の子とまったくそっくりな双子の女の子が漫画を読んでいた。

ただ、違うのは。髪形と性格だった。


そして、名前が妹の石本 瑠璃、長い髪が特徴だった。そしてこの女の子こそ、セミロングが特徴な石本 凛音だ。

凛音は小さな声でため息をもらす。


凛音「ハァ……」


瑠璃は漫画から目を離さないまま小さな声で話しかける。



瑠璃「凛、どうしたの……」



それにたいして凛音は怒りながらいった。


凛音「あのね!あたしたちもうすぐで転校するのよ!!よくのんびりできるわね!!!」


瑠璃は凛音の顔を獣でもみるかのような目でみながらいった。


瑠璃「あのね…そんなんでぐだぐだいう凛もどうかとおもうけど…。いつかそうなるってきまってたんだから仕方ないんじゃないの…」


凛音「そりゃ…そうだけど…」


それいじょう言おうとしても無駄だった。凛音はため息をつきながら荷物をつめる。まもなく施設の人がきて凛音と瑠璃は転校先の学校につれていかれた。


凛音「着いた??」


凛音は運転手の横顔をみつめながら聞く。運転手は黙ってうなずきその場を去った。瑠璃は荷物を持ち直すともう校門をくぐりぬけている。


凛音「まってよー」


凛音も荷物を持ち直し、瑠璃のあとについていく。


先生「貴方たち、よくきたわね、このクラスの先生です、みんなに自己紹介してくれるかしら?」


凛音&瑠璃「「はい」」


2人は同時に挨拶すると教室のなかにはいった。途端ざわめき声がこだます。


??「わぁ、可愛いでやんす」


??「あの子か??家族を失った双子の子って」


??「へぇ、僕みたい」


??「なんかあの陰気な子、俺の好みじゃねーなおい」


??「失礼だよ、??君」


【陰気】という言葉で瑠璃の体が一瞬震えたようにおもえた。小さな声が凛音だけにきこえる。


瑠璃「…好きで陰気になってんじゃない…」



凛音はそれを聞いて胸が苦しくなるのがわかった。教団の前に立ち、一斉に見られる視線と緊張感で凛音は頭が真っ白になりかけた。


凛音「り、ちがう、石本 凛音です、よろしくね」

凛音の自己紹介に一斉の拍手の喝采がまいおこる。凛音はこのムードに耐え切れなくてさっさと終わりたいとおもっていた。


瑠璃は震える手でこぶしを握り、教団にたつ、ただ、ちがうのは顔をしたにむけていること、


ふしんにおもったバンダナをつけた男の子が瑠璃に聞く。


??「お前、顔をあげないのか?」


瑠璃「…勝手」


??「そっか」


瑠璃「瑠璃…よろしく」


なぜかさっきまでの拍手はなく険悪なムードに慕っていた。凛音はこの険悪なムードを遮ろうと自ら拍手をした。


凛音「瑠璃、私の双子の妹なんです!!!よろしくしてあげてくださいね」



その瞬間、大喝采がまきおこる、瑠璃は凛音を睨み付けながらもう一度顔をしたにむける。






瑠璃の舌打ちが確かに凛音にもきこえた