PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀/魂】夜兎の恋【神威】 ( No.7 )
- 日時: 2010/12/03 20:23
- 名前: 祁兎. ◆mHqJ7otKZM (ID: Dfaev/X/)
- 参照: http://__________________
◆( 01 )
—血のにおい。
きつく濃い血の匂いで眼がさめた。
その匂いのせいで頭が、痛い。
あれ、何で 血?
よく見るとわたしの手も赤。それも真っ赤で
わたしの手は赤一色で染められている。
不思議な状況に辺りを見渡し気力なく眼を瞑る。
「 あぁ、そっか。わたし…… 」
ま た や っ た ん だ 。
怖い、怖い。狂ってしまう自分が 正気に戻れない自分が
本能さ故、他人だけでなく家族まで殺してしまった残酷な自分。
こんな人生、イヤ。苦しむくらいならいっそ—
わたしの手に握られている日傘。
それをぎゅ、と握り締め自分に向ける
—これで終わり 一瞬で終わる それだけの話
その瞬間腹部に激痛が走った。
その痛みに耐えられなくなり、その場に倒れこむ。
意識朦朧としているわたしが眼にしたものは、
オレンジ色の髪と綺麗な青い瞳。そして微笑む口元。
「 君、まだ死んじゃ駄目だよ。だって—
女は強い子を産むかもしれないだろう 」
そしてその口元が怪しく笑うところと
男の人の声が
意識を失くすわたしに届いた最後の言葉だった。
PR