二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 〜碧眼ノ鳥〜 ( No.7 )
日時: 2010/12/01 14:31
名前: 夕影 ◆6ShkNKtZzs (ID: 4RLKS53x)

      *2話 その女性は*


「そんな怒っちゃだめだよ、兄さん」
「だがな、アル……あんのクソ野郎は……」

 エドワードはブツブツと愚痴をこぼす。
 アルフォンスはため息をつきながら「また探そう」と言って情報を探しはじめた。
 しかし、いくら探しても誰も知らない。エドワードとアルフォンスは脱力した。


「なぁーんで誰もランディア家をしらねーんだろうな」
「そうだね……。もしかしたらこの子が知ってるかもよ?」
「そりゃないだろ。大人でもしらねーんだから」

 そうかもね、とアルフォンスはさらにため息をつく。
 そんな時、エドワードは肩を軽く叩かれ、後ろに振り返った。
 そこにいたのは、赤い髪をポニーテールにした女だった。顔立ちは整っていて、エドワードは少しの間その顔を見つめていた。
 ふと我に返る。


「何だ?」
「さっきから、ランディア家を探してるわよね」
「まぁな。しってるのか?」

 エドワードの質問に女性は頷く。
 エドワードは目を見開いた後、女性にずいと近づいた。


「マジでか!?」
「マジよ。ランディア家は、あの山の山を越えた所」
「……は?」

 女性は山を指さすが、木しかない。
 所々見えるのが、青い色をした物。屋根の様な形をして……形を……。


「あんな山を越えるのか!?」
「えぇ。私、あの家の使いなの」
「は!?アンタあの家のつかいなのか!?」


 コクリと頷いた女性に、エドワードとアルフォンスは驚愕する。
 エドワードはさらに女性に寄った。

「連れてってくれ!!」
「ごめんなさいね。今はお買い物中なの。あ、もう1つ言い事教えてあげる」
「なんだよ」


 エドワードは不安と期待のまじった顔で聞く。
 女性はアルフォンスが背負っている少女を見ながら言った。
 少しその目がきつくなった。口元に浮かんだ怪しげな笑みを見たのはアルフォンスだけだった。

「ちなみにその子、ランディア家の子よ」
「………」


 女性は言うと、買い物をしに去って行った。エドワードとアルフォンスはしばらく硬直する。
 だが数秒後。

「「え〜〜〜〜っ!?」」


 二人は声をあげて叫んだ。
 特にエドワードなど、「ムンクの叫び」の様になっている。

「じゃあ、コイツ叩き起こして案内してもらえばいいんだよな!?」
「議論上はそうだけど、叩き起こすのはどうかと……」
「でぇーいっ!!手段は選んでられない!!」


 エドワードが少女を殴ろうとしているとき、少女は闇の中にいた。
 声が聞こえてくる。


『……おいで』

——いやだ

『なぜ?お前はこちら側の人間なんだぞ?』

——だからそれはどういう意味?

『なら、教えてあげるよ。君を見つけて』

——見つけられる物なら見つけてみなさいよ

『分かった……“見ーつけた”』


 ゾクッと、少女の背筋に何かが走った。
 それと同時に少女は跳ね起きる。右肩が少し痛んだ。
 ぎりぎりでエドワードの殴りをよける。エドワードと言えば、手を思いっきりアルの鎧にぶつけ、かなり痛がっている。

『兄さん、せめて左手で殴ってあげなよね』


 とアルフォンスに言われたので、左手で殴ったのだ。
 エドワードの右手は機械だ。だが、その話はまた後に。
 とにもかくにも飛び起きた少女は、向こうから何かがやってくるのが見えた。
 二人も気づき、そちらを見る。


「あれは……鳥?」
「でも……なんか変だよ、あの鳥!!」

 目が真っ赤な鳥である。額には、何か変なマークがついているようにも見える。
 少女は立ち、エドワードとアルフォンスを見据えた。


「自己紹介は後で。今はあの変な鳥を一緒に倒して」
「あ、あぁ……」


 エドワードも妙に納得して、うなずいた。
 ククッと少女は笑う。この世の者とは思えないほどの、冷たく、残酷で、暗い笑み。
 エドワードの背筋に何かが走り、アルフォンスは鎧が少し軋むのを感じた。


「雑魚なんて……片づけてやるよ」

 少女とは思えない、強く、静かな声音だった。
 三人と、鳥を見つめる女が一人。
 先程の青髪の女性である。


「邪魔者発見。ま、お手並み拝見と行きますか」

 その笑みも、どこまでも暗かった。

    *  *  *


   >>リネ様

コメントありがとうございます!!
フィンはこれから厄介事に巻き込まれていきます。
ま、フィンは人間じゃn((ネタバレするな
ハイ!!また行きますねbb


   >>無幻様

色紙…うぅ…めちゃめちゃ欲しいです><
あ、予告するの忘れてた。下にやっておこう。
呼びタメおkですか!!ありがとうございます!!

私もおk!!なので、夕影とでも駄文野郎とでも何とでも呼んでくださいなw^^


    *〜次回〜*

無気味な鳥と戦うエドやアル、少女。
やっとひと段落ついた時、妙な女性が現れて…。
少女は女に気を失わされるし…。

「お見事。貴方達は何者なのかしら?」

   *3話 鳥と女とマーク*に続く。。