二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- みっしょん! ( No.114 )
- 日時: 2011/02/21 17:33
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: 8pbPlA7p)
「あ、ミストレとエスカバメ」
前方から、どこかで見たことがある二人組が歩いてきた。と思ったら、やはりあの二人で。きちっとした服に身を包んだ二人は、勇ましく見える。片割れに関しては、男装をしているようにしか思えないのだが。本人に言ったら、殴られそうなのでやめておこう。
「……いい加減、区切るとこ直せよな」
激しく怒鳴るようなことはせず、諦めたように呟くエスカバ。もう何度も訂正を食らっているものの、癖を直すことは簡単ではなくて。悪戦苦闘している最中に、もはや彼は諦めてしまったようだ。自業自得、自分は悪くない。頭を抱えこんだエスカバを眺めながら、そんなことを思った。
「良いんじゃない?エスカバメ」
「お前が言うな。つーか、お前くらいはちゃんと呼んでくれ」
悪戯っぽく微笑んだミストレ。こいつ、ここの学校のミスコンなんです、と補足すればほとんどの人が納得するだろう。無駄に美人な顔立ち。神様は何を間違えたのか、そればかり疑問に思う毎日である。
「なに?また球蹴りするの?」
「球蹴りじゃなくて、サッカーだ。いい加減覚えろよ」
「まあまあ、馬鹿に覚えろなんて拷問だろ」
一瞬、ガチでその顔面を殴ってやろうかと思ったが、神様が生み出した美の作品に手を加えるわけにもいかない。というか、傷つけたらタダでは帰れないよなー、うん。
「あ、バタップ知らない?用事あるんだ」
王牙学園トップの秀才、チームオーガのキャプテンは、どこへ行ったのだろうか。教官に頼まれた資料のまとめを手伝って貰おうと、一生懸命探しているのだ。そんなことしてるんならさっさと仕事やれよ、なんていう批判は受け付けない。何枚あると思っているんだ。
「さあ……提督に呼ばれてるんじゃないか?」
「えぇぇ?面倒くさいな、もう」
お礼の言葉もそこそこに、勢いよく駆け出していく。そんな後姿が廊下の角を曲がり切るまで見送ったあと、くるっと振り返り、二人は合図を送った。
「……バタップ、安心しろ。もう行ったぞ」
「悪いな。どうしても悪い予感がしたんだ」
「多分、図星だよ。あの紙の束、全部ミッションに関係するやつだったから」
大きな溜め息を吐いたバタップ。冷や汗を拭い、無表情に戻ると目的地へ向かう為、三人揃って振り返った。三歩進んだところで気付く。作戦は、大失敗だったと。先頭にいたバタップは、無表情なりに焦っていた。後ろの二人は、大急ぎで後ずさりを始めたが、抜け駆けは許さないと語るバタップの背中の威圧に負ける。
「バタップ、ミストレ、エスカバメ……隠し事は良くないと思うなぁ」
その後、三人が資料の山の餌食になったことは、言うまでも無い。
*。+
※オリキャラと王牙を絡ませたかっただけ。口調とか想像の産物。訂正あったら教えて下さい。