二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 優しいルシフェル 【イナズマイレブン】 ( No.12 )
日時: 2010/12/03 19:44
名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: ja6QJnOq)


 学校の正門にある時計を見上げる。現在9:05。すごい…奇跡が起こった。色々と準備していて、家を出たのは遅くても8:50。僕は15分で学校へ来たのだ。…人間、やれば何でも出来るんだね。ちょっぴり感動だよ。
 とは言え…遅刻は遅刻。僕がどれだけ頑張ったかを話しても、恐らく命が危ない。本当に危ない。校庭のほうに目をやると…おわ、たくさんの人影。とてもじゃないけど、行き辛い。

「どうか普通に混ざれますように!!」

 到底叶うことのないお祈りをしてから、校庭へ向かった。



***

 試合開始から5分か。まだまだお互い様子見状態だな…。そういえば、僕がいないのにどうやって試合やってるんだろう?11人ギリギリ運営中のサッカー部。一人抜けてもベンチがいない。

「1、2、3、4……やっぱり10対11か」

 日本一&宇宙一のサッカー部に10人で挑むって、何て無謀な挑戦なんだろう。まぁ、原因を作った張本人は僕自身なんだけどね。あ〜あ…キャプテンなのにまた遅刻しちゃったよ。でも仕方ないか、じゃんけんの結果だもんね。僕に頼みたくないんなら、じゃんけんの修行をしておけば良かったんだ。自業自得だぞ。

「少し厳しい状況じゃのう…」
「そうですねー…?こ、校長先生!?」

 ありゃ、と声をあげる校長。すっごいピンチな気がするんですけど…

「…キミも試合観戦に来たのかね?熱心じゃのう」

 あぁ〜僕が試合に出ないで観戦してることには、ノータッチですか?…先生、大丈夫かな。色々な意味で。

「しかし…相手チームのほうが一人、多いのう」
「夜桜が一人、足りないんですよ」

 そして最後の一人が僕で〜す。…こんな所で道草してる場合じゃないんだった。早く試合に出ないと…!!
 校長先生に挨拶をしてから、ベンチに向かう。駄目だ、監督に何言われるんだろう。あぁ、超怖いよ。

「お疲れ様です、監督」
「…藤浪、何があったんだ」

 冷静っていうか、あまり怒らない監督。怒っても怖くないし、僕は怒られるような事はしないし。ただ今日の練習試合はとても楽しみにしていたみたい。日本一だから、こんな無名の学校と試合してくれないと思いつつ、駄目もとで申し込んだら…今に至る。

「色々とあったんです。あまり追求しないで下さい」
「追求するほど深い話じゃないだろ」

 とりあえず荷物をベンチ下に置いた。コートで試合を続けるメンバーたちは、いまだ僕に気づいていないらしい。それは、それで良かった。

「…すいませんでした」
「それでよろしい。早くアップを済ませろ」
「了解です」

 太陽が眩しい。こんなに空、綺麗だったかな?きっと急いでたから気づかなかったんだろう。軽く準備運動をしてから、ボールを使ったアップに入る。リフティングは若干苦手だから、コレでもするか。
 …あ、そうだ。僕、新聞部から雷門中サッカー部の情報を貰ってたんだ。エナメルのチャックを開いて、ファイルを取り出す。…さて、どんな選手がいるのかな?