二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- I tail again ( No.139 )
- 日時: 2011/03/14 16:23
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: uXqk6hqo)
綺麗な紅い瞳を、なんでゴーグルで隠しちゃうのか、わからなかった。あたしは、鬼道のその目が好きだったから。サッカーをしているとき、敵を見据えているような鋭い視線も、春奈に向けているような柔らかくて穏やかな瞳も。あたしに笑いかけてくれたときの表情なんて、特に好きだった。
あたしのお喋りに付き合ってくれる鬼道も好き。鬼道から話すことなんて滅多にないけど、あたしの話に相槌を入れてくれて、時折笑ってくれる。この時間が大好きだ。
「浦部がそんなことを言ったのか」
「そーなんだよ! おかげで一之瀬、すっごい困っててさあ……」
でも。本当はね、こんな話したくないんだ。確かに、こーやってリカの話をしたりとか、円堂が熱血漢らしく叫んでたとか、綱海がまたサーフィンの話してたんだとか、こういう話もしていたい。でも、でもね。
「……あっあの、鬼道?」
"あたし、鬼道が好きなんだ"
これが、一番言いたいんだ。なのにいっつも、怖がりなあたしは話題を逸らしてばっかりで。あーあ、リカみたいに積極的になれればいいのに。こんな時ばかり、あたしはリカを尊敬する。好きな人に好きって伝える。それは、本当に幸せなこと。鬼道の返事は、そりゃあ気になるよ? でもね、あたしは返事を聞くために告白するんじゃないんだ。
どうしても、あたしの想いを伝えたい。
言葉で気持ちの大きさを表すなんてこと、ボキャブラリーの少ないあたしには到底無理な話。だからこそ、両想いとか付き合うとか、そーゆうの全部差っぴいて、あたしの想いを、あんたに届けたい。
もう何回も失敗してきた。よし、今日こそは伝えてやる。ふられようが拒まれようが、もう友達に戻れなくなろうが、あたしはきっと、あんたに"好き"って……———
「どうしたんだ?」
ゴーグルを隔てて、ちらりと覗けた透き通った瞳。あたしはたちまち、捕らえられる。身体は、ふわふわとした変な浮遊感に襲われて。スローモーションのように過ぎる時間のなか、どきどきと早まる鼓動を、あたしはぼんやりと感じていた。こんな時ばっかりずるいよ。あたしばっかり、どきどきさせられるなんて。でも、鬼道があたしに対してどきどきする日なんてくるのかな? 当分来ないだろう。でも絶対、近い未来の話にしてやるんだ!絶対、絶対、絶対……
「な、なんでもないや……」
絶対、いつの日か。ちゃんと目を合わせて、震えていようが大きな声で。さすがのあんたも真っ赤になるくらい、思いっきり"好き"って言ってやる!
*。+
まいなーかぷ探しの旅・第二弾を企画した結果、こうなりました。
あれ、この二人ってマイナーですか? 気付いたら書ききってて、よくよく考えたら違くねってことになりまして……ま、いっか←
I tail again……の意味は、「また失敗」。告白にまた失敗しちゃいましたみたいな(
うーん、誰か私にマイナーを教えて下さい。どれがマイナーなのか収拾つかなくなってきたw
あ、参照900突破、ありがとうございます! こ、コメントして貰いたいとか別に思ってないんだk(ry