二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アンネセサリーな僕とキミ 【イナイレちまちま集】 ( No.25 )
日時: 2010/12/10 18:21
名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: IuHi0dEW)


 僕、白状するよ。全くもって足に自信が無いんだ。今の僕のスピードじゃあ、鬼道には追いつけない。でも、このまま行ったら豪炎寺にボールが回るのは、ほぼ確実だ。森本が止められなかったシュートがまた打たれてしまう。そしたら…また点差が開く一方。体力的にも防いでおきたい。ここは…森本に賭けるしか無いんだ。
 そして、マークが追いつかなかった豪炎寺にパスが回る。位置からして、今からボールを奪う事は不可能。森本と豪炎寺の一騎打ちだ。

「森本っ…さっきの二番煎じは、絶対にするな!!」

 僕には、言葉をかける事しか出来ない。もっと速く動けていれば、防ぐ事は出来たかもしれないのに。…まだ負けたと決まった訳じゃないのに、このネガティブ思考。これがあからさまに目に見えてくると、監督に怒られる。嗚呼、やばいぞ。

「爆熱ストームッ!!」
「ヒンメルカーテンッ!!」

 炎を纏ったシュートが夜桜ゴールを脅かす。さすがは天才ストライカー、かなりの威力。けど、こっちだって負けてられない。空のような青のカーテンが、ボールを包み込む。豪炎寺が放ったシュートは、尚もゴール目指して突き刺さるが、ヒンメルカーテンはボールを包み込み…止めた。

「ふっ…何回もやられていられるか」

 嬉しそうに笑った森本。さすが裏キャプ、頼りになります。僕よりも、ね。…自分で言ったら、もっと悲しくなってきちゃった。もう二度と言わない事にしよう。
 悔しげに唇を噛む豪炎寺を横目に、ボールは僕に向かってくる。…僕が攻めろって事?まぁ、森本は僕よりも作戦をたてるのが上手だしね。だからって、DFに攻めろって無茶振りだと思うんですけど。そう思うのは、僕だけですか?

「あがれっ!!次は、お前の番だ!!」

 きっと、『自分は、もう仕事しましたから』気分なんだろう。何だよアイツ。ナルシストかお前は。
 だとしても、仲間に苛ついたくらいでサッカー放り出す訳にもいかないしね。MFたちは、ビッチリとしたマークで誰一人として手が空いていない。僕が行くしかないの?本当に?

「葵先輩!期待してますよ!」

 お前は、何者なんだ。後輩の一言にぶちっと、何かが切れた気がした。嗚呼、やってやろうじゃん。変な負けず嫌いが心の何処かで湧き上がった。面倒くさい事になったのは、よ〜く解っている。でも、止められないんだ。人間、そんなものでしょう?
 僕にも出来るのなら、皆の為になる事が——感動させられるぐらいのプレーが——出来るのなら…挑戦してみたいです。

「夜桜イレブン…反撃開始だっ!!」