二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 優しいルシフェル 【イナズマイレブン】 ( No.8 )
日時: 2010/12/01 21:01
名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: QiznQFqE)


 すっごい暖かい。当たり前だ、布団の中なんだから。でも不思議だよね…布団を出るだけなのに、何でこんなに時間がかかるんだろう?これも当たり前かな。僕が睡眠大好き人間だから。でも、今日が何もない日なら良かった。
 
「ん…今、何時…」

 目覚まし時計を手探りで探すと、冷たいものを掴んだ。何だ、コレ。…何でDSがこんな所にあるんだよ。あぁ、夜に隠れてやってたからか。丁寧に置きなおすと目覚まし時計を探す。今、思いなおしてみると「さっさと布団から出て探せよっ」っていう話なんだけど…それが出来ないから困ってるんだよ、僕は。

「8:45…はぁぁぁ!?」

 試合開始時刻は…確かAM9:00から。学校に自転車飛ばしていっても、20分かかる。いこーる、僕は遅刻確定。さぁ、どうしようか。ここで開き直って遅れていくか、真面目に急ぐか。いつもなら僕は、迷わず前者を選ぶだろう。だけど、今日ばかりはそういう訳にはいかないようで。

「…母さん、何で起してくれないんだよッ!」

 それはそれは、光の速さに追いつけるんじゃないかって思うくらいのスピードで着替える。ユニホームの上にジャージ上下を着て、靴下履いて、髪を整える。あちこちに跳ねた髪を見て刹那、やる気を失ったけど。
 皿の上に置かれたおにぎりを二つ、かっさらっていく。文句を言われてもお互いに悪いんだから、仕方無いだろ…

「ちょ…お母さんの鮭おにぎりを奪うなぁっ!」

 後ろから聞こえる怒鳴り声を後にして、僕は自転車に飛び乗った。鍵を無造作にこじ開けると、一気に道路に飛び出す。

「間に合うかな…ま、駄目か」

 皆、楽しみにしているであろう練習試合。今日、遅刻したら命が危ないけど、サボるよりは良いもんね。内心、相当の余裕でペダルをこぐ。いよいよ、あの学校と対戦できるんだ…久しぶりだな、練習試合って。

 …よし、待ってろよ。雷門イレブン!!

 試合会場の夜桜中へ向かう坂道を、ゆっくりと下っていった。