二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

ごちゃまぜミニゲーム? ( No.82 )
日時: 2011/01/16 11:15
名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: eMRX3Yay)


「も、もう一回だ!! 今のは事故なんだからな!!」

 飯島——夜桜2TOPの一人は、大きな声で叫んだ。うるさいけど、面白くて仕方が無い。
 僕の視線の先にあるのは、必死の形相の飯島と困ったような豪炎寺の姿。豪炎寺の左足は、しっかりとサッカーボールをキープしている。彼にも、エースストライカーというプライドがあるんだろう。だから、相手が諦めるまでは戦い続けなければならない。まあ、豪炎寺の実力なら簡単なことだろうけどさ。
 こうなった原因は、豪炎寺にある。


*。+

「ミニゲーム、始めようぜ!」

 円堂の一声でそれぞれのポジションについた選手たち。いつもは背中しか見ていない奴等とを、正面から見ている状態なんだよね。新鮮で面白い。なんかワクワクしてきた。
 オフェンス陣の確認をしている時、円堂チームのFWが豪炎寺と飯島だってことに今更ながら気付いた。

「な、なんか……異色のコンビ?」
「うるせぇ黙れ」

 誰がうるさいだ。僕は本当のことを言ったまでなのに。紛れも無い事実じゃんか。で、なんとなく皮肉を言ってやりたくなった僕は、かるーく忠告してやることにした。

「ま、せいぜい豪炎寺の足を引っ張らないように努力するんだな」
「うるっさいな!! お前は黙ってろ!!」
「うわーこれくらいでムキになるとかマジないわー」

 気性の荒い野良犬みたいに睨んでくる飯島。いつか噛み付かれそうだな、うん。
 その時、偶然豪炎寺に視線を移した僕が見たものは……!

「あはは飯島、豪炎寺に鼻で笑われてんじゃん」
「……?」
「何!?豪炎寺、お前まで……」
「誤解だ。誤解だから睨むのをやめてくれ」
「豪炎寺、俺と勝負しろぉぉぉ!」


*。+

 と言うわけで、今に至る。

「いや、それって葵先輩のせいじゃあ……」
「んー?僕は関係ないよ」

 ミニゲームが早くやりたい円堂は、慌てて二人を止めようとしていた。が、二人の白熱(?)した戦いに見入ってしまったらしく、暑苦しく二人を応援していた。そして余計に熱くなる飯島。困る豪炎寺。結構、面白い現場になっちゃったりしてる。

「藤浪、お前何とかしろ」
「どうして?二人とも楽しそうじゃん!」
「楽しそうに見えるお前が不思議で仕方が無い」

 呆れ気味の鬼道。まあ、心底不満があるようでもないからスルーしとこう。

「まったく……いつになったら始まるのかしら?」
「下手したら始まんないかもよ。飯島がボール奪える筈ないから」

 カレンの溜め息を横目に、自然と零れる笑いを僕は抑えきることが出来なかった。