二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

【08】ありふれた日常のひとコマ-03 ( No.99 )
日時: 2011/02/05 10:38
名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: eMRX3Yay)
参照: 吹雪夢歌パロが書きたいなう←

「……では、後半の同点ゴールについて一言、お願いします」
「えーっと……それは、うちのFWに聞いていただきたいですね」

 ただいま、無理やりインタビューと格闘中です。一年生の女の子が取材に来たんだけど、ちょっと意外だったな。だって、やる気の無い新聞部だよ? 一人で張り切ってる部長が来ると思ってたのに。もしかして、僕たちのお陰でやる気アップしたとか? うわぁ、僕、すっごい役に立ってるじゃん。
 まぁ、お役に立てたのは凄い嬉しいんですけど……

「あの豪炎寺さんのシュートを止めた森本先輩、どうでしたか?」
「いやー……僕に聞かれても、何も答えられないんですけど」

 質問がずれている気がする。飯島のことも森本のことも、僕、知らないもん! あーあ、なんだか今日は疲れるなぁ。宿題忘れて怒られるし、無茶なインタビューに時間潰されるし……なんなんだよ、もう! でも仕方が無いか。朝の占い、僕は最下位だったし。ちっ、あの時、水色を選んでおけば……!!

「そっそれではカレン様について一言どうぞ!」
「絶対、サッカー関係無いでしょ!?」

 インタビューでわかったこと……"カレン様人気は、未だ絶大なり"


*。+


「皆、特訓はじめるぞ!!」

 とある校庭で一人の少年は、拳を空へ突き上げた。他の部員たちも、いつもとは違いノリ気である。それも、練習試合の効果なのだろうか。最近、全くと言っていいほど他校と試合ができていなかった雷門イレブン。日本一にまで輝いた彼等と引き分けるほどの実力を隠し持っていた夜桜中学サッカー部は、雷門イレブンの興味をそそる存在だった。特にキャプテン———円堂守は、葵との約束に胸を弾ませているのだ。

「キャプテン、やる気満々だね」
「そりゃそーだろ。強い敵ほど、円堂を熱くさせるものはないからな」

 それぞれが練習に励む中、雷門のマネージャーたちは、穏やかにその光景を見守っていた。

「夜桜中学サッカー部……練習試合を申し込まれた時は、どうなるか冷や冷やしてたけど良い影響を与えてくれたみたいね」
「確かにね。情報がほとんど無くて、どんな学校なのか怪しかったけど……いい人たちばかりだったわ」
「サッカーの実力も高かったし……でも、」

 曖昧なまま、言葉をはっきりと言い出さない秋に対し、夏未は続きを促した。

「……あれだけ攻めることができるのに、DFが多すぎる気がしたの」

 後半は、夜桜に攻めあげられ苦戦を強いられた雷門。DFが活躍する場は、少なかった。が、前半の様子を見ていても葵を除いたメンバーだけで充分だった気がする。ならば、攻めるMFをFWにおいて、スリートップにしたほうが攻撃の効率は良いだろう。何故、あの監督は守り重視の布陣なのだろうか。夜桜イレブンは、攻撃重視の構成に変えたほうが、輝けるだろうに。

「私もそう感じたわ。それに……あら、音無さんは?」
「えっ……そう言えば」

 部活が始まった頃、隣にいたはずの春奈の姿が見当たらない。不思議に思いながらも用事で遅れているのだ、などと理由をつけ、二人は休憩の準備に取り掛かり始めた。