二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第ニ章 ( No.15 )
日時: 2010/12/02 17:33
名前: 双海  (ID: BdM.OEZp)


 それにしても、この国は面白い。どこを見ても、緑なのだ。
 そんなことを思いながら街を歩く。

 ああ、そういえば。
 ポケットから王女に貰った紙を取り出す。
 王女に頼まれてこの国に来たんだった。つい、観光の感覚で歩いていた。

「…お。」
 品揃えの良さそうな店を見つけ、入っていった。

「よし、戻るか。」
 全ての買い物が終わり僕はそう呟く。

 それにしても、多い。頼まれた物が多すぎて、前が見えない。
 林檎は、紙袋からはみ出していて、気を付けないと落ちてしまいそうだ。
 僕はふらふらと来た道を戻る。

「あ。」
 そう呟いたと同時に林檎が転がり落ちる。
 紙袋で両手が塞がり使えない為、林檎が拾えない。
 誰か拾ってくれないかと、辺りを見回す。

 だが誰も拾ってはくれず。
 仕方ないから自分で拾うか、と腰をかがめる。
 すると、目の前の林檎を誰かが拾ってくれる。
 タイミングが悪いな、なんてことを思いつつ、顔を上げ礼を言おうとする。
 そこには、
「はい、どうぞ。」
優しい声で笑う、綺麗な緑の髪を持つ少女がいた。