二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第四章 ( No.32 )
日時: 2010/12/20 18:26
名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)

 小さな頃何度も見た、あの王宮程あるであろう大きな門。
 ー懐かしい。
 今から数年前、よく王女とこの別荘に遊びに来た。
 あの頃の思い出は、今でも鮮明に思い出すことができる。
 
 少し門に近付いた所で、気付いた“異変”。
 いや、これは当たり前、と呼ぶべきか。
 門の横に、兵士が二人、配置されていた。
 一人の兵士が僕に気付き、近寄ってくる。

「何者だ、お前は。」

 威圧感のある声で、そう聞かれる。
 その声の持ち主は、鎧の上からでもわかるくらいの筋肉を持ち合わせていた。
 思わず感嘆の声を上げそうになったくらいだ。

 もう一人の兵士も僕に気付いたのか、近寄ってくる。
 僕より遥か高い背のやつらに囲まれる。
 さすがに怖いな、なんてことを思いつつも、
「召使の、レンと申します。ミク様はいらっしゃいますでしょうか?」
と言う。
 僕のその言葉を聞き兵士達は顔を見合わせた。

「ミク様に、何の用だ。」

 先程のやつとは違い、細身の男はそう聞く。

「ミク様に、お話がありまして。」

 そう言った僕の顔をまじまじと眺める兵士達。
 そして、兵士達は
「そこで待っていろ。」
そう、言った。

 その言葉を聞いた僕の心の中は、嬉しいのか、悲しいのか、よくわからない感情でいっぱいになった。