二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第四章 ( No.35 )
日時: 2010/12/20 20:45
名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)


 程なくして彼女が兵士達と共にやってくる。
 遠目でもわかる、白い肌に、綺麗な緑の髪。
 この薄暗さが、彼女を引き立たせていた。

「レン、久しぶりね。」
 彼女は僕の所までやってくると、そう言い微笑んだ。
 久しぶりに見るその笑顔に、声に、僕の心臓が高鳴る。

「久しぶり、ミク。」
 僕がそう言うと彼女はまた微笑む。
 純粋な、笑顔。
 その笑顔を見ると、今からすることをやめたい、という気持ちに駆られる。

 けれど、やらなくちゃ。
 やらなくちゃ、いけないんだ。

「話しがあるんだ。」
 僕は平常心を装い、彼女に言う。

 まだ胸は高鳴っている。
 この高鳴りは、彼女の笑顔に対してか、今からすることに対してか。
 そんなの、僕にはわからないし、考える余裕もない。

「そう。」
 彼女は未だ横にいる兵士を一瞥すると、
「場所を変えましょうか。」
と言ってくれた。
 彼女から言ってくれるのはこの上なく好都合だ。
 案の定、兵士達は困ったような表情を浮かべながらも、場所を変えるのを止めはしなかった。