二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第一章 ( No.4 )
日時: 2010/11/28 18:28
名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)

「はい。後程、お菓子を持って伺うので先に部屋に戻っていてください。」
「わかったわ!」
 スキップをしながら自分の部屋へ戻っていく王女を見届けてから、僕は厨房へと向かった。



 ノックを二回し、
「レンです。お菓子を持ってきました。」
と言う。すると、
「入って!」
と機嫌の良さそうな声が聞こえてくる。
 僕は、重い扉を開け部屋に入る。
 王女は、既に窓際の椅子に座っており、お菓子が運ばれて来るのを待っていたようだった。

「今日は何?」
「ガレットです。」
 そう言いながら皿を机の上に置く。
「美味しそうね、いただきます!」
「では。」
 僕の役目はお菓子を王女の部屋へと運ぶ、それだけなので他に用はない。
 だから、部屋を出て行こうとしたのだが、
「レン、ちょっと待って!」
何故か王女に呼び止められた。
「どうしたのですか、リン様。」
「あの、…。」
 王女は口に入ったガレットを必死に飲みこもうとしている。
「ゆっくりでいいですよ。急ぐと喉に詰まりますから。」
 そう声を掛けてやると、王女はにこりと笑った。

 しばらくし、王女がごちそうさま、と呟く。
「食べおわりました?」
「ええ。」
「それで、なんでしょうか、リン様。」
「レンに頼みたいことがあるの。」

「頼みたいこと、ですか…?」