二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第四章 ( No.45 )
日時: 2010/12/24 18:29
名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)


 何時の間にか泣き疲れて眠ってしまっていたのか、教会の鐘の音で目を覚ます。
 首を動かし辺りを見回すと、見慣れた、必要最低限の家具しか置かれていない部屋。
「ん…?」
 ぼーっとする頭を必死に働かせる。

「ああ、“おやつの時間”…。」

 ふと、口を出たのはそんな言葉。
 王女の口癖が僕の口癖にもなりつつあることに苦笑しながら、立ち上がる。
 変な体勢で寝ていたせいか、肩が少し痛む。

 立ち上がっても尚、ぼーっとする頭。

 自分の頬を叩き、眠気を追いやり、厨房へと向かった。


 ノックをし、王女が入っていいと言ったのを確認し、部屋に入る。
 王女は入ってきた僕の顔を見て、短く悲鳴を上げた。
「レン、どうしたの?頬が真っ赤じゃない。」
 そう言った王女の顔は笑いを堪えているようだった。
 確かに、先程強く叩き過ぎたせいか、頬はじんじんと痛みを訴えている。

「それに、目も腫れているわ。泣いていたの?」
 僕はその質問に、いいえ、と短く答えた。
 すると王女は、その答えが気に入らなかったのか顔を歪める。
 が、またいつもの明るい表情に戻った。

「レン、ありがとうね!」