二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第ニ章 ( No.9 )
日時: 2010/12/01 20:58
名前: 双海  (ID: BdM.OEZp)

 王は下を向いていた顔を上げ、僕の瞳を見つめる。
 その間も僕は、目を逸らさず話し出すのを待つ。
「…ひとつ、質問をしていいか?」
「はい。」
 王は目を伏せ、言う。
「レンは、王女と自分が似ている、と思ったことはないか?」

「…え。」

 それは予想もしていなかった質問で、言葉に詰まってしまう。
 だが、答えは決まっている。
「あります。」
 ない訳がなかった。
 僕と王女の顔は、瓜二つであるのだ。
 僕の束ねている髪をほどいたら、王女と間違えられてしまうくらいに。
「だよな…。」
 そう、溜め息混じりに言う王。
 どうしてそんなことを訊くのか。そんな疑問が頭を支配する。

「あのな、レン。」
 そう言った王の顔はいつもに増して真面目であった。
「はい。」
 王はこれから何を話すのか。
 そんな、期待とも不安ともつかない感情が自分の中を渦巻く。

「お前たちは…、」
 主はそこで一回言葉を止める。言おうか言わまいか迷っている様子だった。
 だが、僕の表情を見て、王は深呼吸をし、言葉を続ける。
「お前たちは、…双子なんだ。」