二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: POCKET MONSTERS オリキャラ募集 ( No.22 )
日時: 2011/01/22 10:08
名前: 黒影 ◆BX9zGDO0G. (ID: /HyWNmZ0)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

第6話

2002/06/14(金)11:11


「コラッタ! “でんこうせっか”!」

 コラッタがヒチョウに向かって突進する。

 速度はかなりのもので、避けられない。

 しかし、レッドは冷静だった。

「“すなかけ”」

 ヒチョウが足下の砂をコラッタ目掛けて蹴り上げる。

 視界が悪くなったコラッタは自然と勢いが無くなり、ヒチョウのすぐ横を通り抜けた。

「“たいあたり”」

 なんとか砂を払い、体勢を立て直そうとするコラッタに容赦のない一撃が叩き込まれる。

 ふらついたコラッタに、ヒチョウが再び“たいあたり”を仕掛け、それがとどめとなった。

「コラッタ! 畜生!」

 少年は涙目で80円をレッドに投げ付け、コラッタを抱えて逃げていった。

「…え?」

 足下に散らばった十円硬貨に目もくれず、少年の後ろ姿を眺めながら間の抜けた声をあげる。

 十円硬貨を拾い集め、レッドの手に戻すと、蒼は妖艶な笑みを浮かべた。

「ねぇ、レッド? 今日は何処まで行くつもり?」

「…早めにトキワの森を抜けて、ニビまで行きたい」

「今日中に?」

 蒼が尋ねると、レッドは頷いた。

「トキワの森で日が暮れるのが関の山だと思うけどね。私も行って良い?」

 少し考えてから、レッドは小さく頷いた。

「決まりね。ところで、野宿の準備はある?」

「……野宿なら準備はいらないよ。取り敢えずお昼ご飯食べたら食べ物買って、それから行くつもり」

「…貴方本当に初めてなの?」

 またレッドが頷くと、蒼はレッドの頬に軽くキスをした。

 キスされた頬に軽く触れながら、ポケモンセンターまで戻り、喫茶店で軽い食事をする。

 蒼はその間もレッドに話しかけていたが、レッドは首を横に振るか縦に振るかのみで、蒼が一方的に話す形になった。

 食事を終えると、フレンドリィショップで安めの弁当を二つ買い、トキワシティの北、2番道路を歩き始めた。

 途中、何度か勝負を吹っ掛けられ、その度に勝利をおさめていく。

 そして、トキワの森の入口に辿り着いたとき。

「…パトカー?」

 一台の警察車両がエンジンが掛かったまま放置されていた。

 サイレンは鳴っていないが、ランプは回りっぱなしだ。

 トランクが開けてあるのは、車載ショットガンを持っていった形跡だろう。

 側面に“V.C.P.R.”(Viridian City Pokemon Ranger)と書かれており、それがトキワシティの署のものであることが予想できた。

 辺りに人の気配はなく、この車が何故此処に止まっているのかが更に分からなくなった。

「封鎖くらいされてても良いと思うんだけど……なんでこれだけ?」

 トキワの森は環境保護区域の為、車で入ることはできない。

 歩いていったのだろうか。

 …ショットガンを持って?

「取り敢えず……行きましょ」

 この時、二人はこの奥に何があるのか、理解していなかった。