二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: POCKET MONSTERS オリキャラ募集 ( No.25 )
日時: 2011/02/06 22:15
名前: 黒影 ◆BX9zGDO0G. (ID: pDyYudP2)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

第8話

2002/06/14(金)11:44


 黒い帽子、黒い服、黒いブーツ、くすんだ緑の髪が特徴的な男は、少し離れたところからポケモンレンジャーの隊員の様子を見ながら、無線通信機の周波数を合わせた。

「此方、エリス。応答願います」

『此方、ラース。どうした?』

 若い男の声が返ってくる。

 ポケモンレンジャーの官給無線通信機より性能は良いことが窺えた。

「地区内を調査中のポケモンレンジャー隊員一名の殺害に成功。もう一名は依然、調査を続けている模様」

『そうか。先程、その隊員のものと思われる無線交信を傍受した。後三十分もしない内に増援が来るだろう。その隊員を始末したらすぐに退却しろ』

「了解。発砲許可を」

『許可する。ただし、必ずサイレンサーを使うように』

「了解」

 無線通信機の電源を切り、エリスは腰のホルスターから拳銃を抜いた。

 少し特徴的なデザインの自動式拳銃で、既にサイレンサーが着用されていた。

 有効射程約90m、.22LR弾を使用し、とても狙いやすいこの拳銃は、暗殺等にとても適している。

 エリスは口元に小さく笑みを浮かべた。

 少し姿勢を高くし、照準を隊員の頭部に合わせる。

 そして、引き金を絞った。

 銃声はサイレンサーによって抑えられ、殆ど響かない。

 .22LR弾は真っ直ぐ隊員に向かっていった。

「ぇ……?」

 彼の、最期の言葉だった。

 ドサッ、という音と共に隊員が倒れ、そのすぐ近くに彼の自動式拳銃が落ちる。

 ガラガラが困惑した様子でその身体に駆け寄る。

 エリスはそれを見届けると、すっと立ち上がり、ガラガラに向けて続けざまに三発撃った。

 ガラガラが倒れるのを確認し、ゆっくりと死体に近付く。

 そして、先程撃ったのとは別の隊員の死体の首から銃剣を引き抜くと、その刃に付着した血液を払い落とし、立ち去った。

 その場には、死体だけが残された。