二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: POCKET MONSTERS ( No.6 )
日時: 2010/12/05 08:13
名前: 黒影 ◆BX9zGDO0G. (ID: 59nFPquI)
参照: http://pokemon-ds.net/cgi/novel/index.cgi?mode

第1話

2002/06/14(金)08:11


 机の上に山積みの資料や書類、恐らく膨大な量のデータが入っているであろうパソコン。

 研究所、というだけあって、優秀そうなスタッフも揃っている。

 しかし、その研究所の主が居ない。

「大城戸博士? 今居ないけど……1番道路か、お家じゃないかなぁ」

 眼鏡を掛けた白衣の男性が言う。

 その答えを聞いたレッドは小さく頷くと、礼を言って研究所を出た。

 整備が行き届いていない道を歩き、北に少し行けば、もう其処は1番道路だ。

 やはり整備の行き届いていない道は所々、草の背が高くなり、何かが飛び出してきてもおかしくはない。

 レッドが草むらに入ろうとした時だった。

「おーい、待つんじゃ! 草むらに入っちゃいかん!」

 男の声が聞こえた。

 レッドは足を止め、振り向く。

 白衣を身に纏った、白髪の目立つ初老の男が小走りにやってきた。

 レッドが探していた人物だ。

 大城戸 行成(おおきど ゆきなり)。

 ポケモン研究における世界的権威。

 レッドは踵を返し、大城戸博士の元へと歩き出した。


「いやぁ、良かった良かった。二人とも揃ったようじゃな」

 再び、大城戸ポケモン研究所。

「待ちくたびれたぜ、じーさん」

 レッドの隣の少年が悪態をつく。

 緑色の髪が特徴的な彼は、大城戸 グリーン(おおきど -)。

 レッドの幼なじみであり、大城戸博士の孫である。

「まぁ、そう焦りなさんな、グリーンや。今回お前達を呼んだのは何故だか分かるか?」

「ポケモン渡す為だろ」

 窘めるような口調で質問する大城戸博士に、グリーンは苛々した口調で答えた。

「そうじゃよ。今日、お前達にはポケモンと、もう一つ、渡すものがある」

 其処まで言うと、大城戸博士は奥のテーブルに向いた。

 テーブルの上には二つの赤い手帳のような装置。

「あれが何だか分かるかね?」

 それを指差し、大城戸博士が尋ねるが二人は首を傾げている。

「あれは“ポケモン図鑑”といってな。出会ったポケモンを記録する、ハイテクな機会じゃ」

 納得した様子の二人を見て、今度は横のテーブルに向く。

 テーブルの上には三つのモンスターボール。

 それぞれポケモンが入っているのか、時々揺れる。

 グリーンは目を輝かせた。

「さて、二人とも。これは分かるじゃろう」

「ポケモン! ポケモンだろ!? ほんっと待ちくたびれたんだからなっ!」

「これこれ、そう焦るな」

 歓喜するグリーンを窘め、大城戸博士は続ける。

「ほら、選ぶと良い」

 そう言われ、レッドはボールを一つ手に取った。