二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 オリキャラ募集! ( No.12 )
- 日時: 2011/08/13 15:50
- 名前: 葵 (ID: 5Zruy792)
2話 変化来る!
「あの、えと……何で俺の名前……?」
「ん? 当たり前じゃないか。何故学校に来る前に、生徒の名を確認しないんだ? そっちの方が変だろう? それに、沢田のクラスじゃないのか? 私の担当場所は」
そう言われて、ツナは気付く。
この間まで担当の教師だった先生が、つい先日持病が悪化し、入院したと。
因みに持病とは腰痛(と、痔)らしいのだが、しょうもねーな、とクラス全員相手にしなかったのだ。
ツナも勿論、その様な話は聞いてすらいなかったのだった。
ツナは自分のダメさに思わず赤面する。
幾ら先生であろうと、こんなに若く、更には綺麗なのだ。
赤面しない方がある意味おかしい。
夜はクスリと、何処かツナを嘲る様に笑う。
「大丈夫だ。きっと沢田の他にも忘れてる奴ぐらいいるさ」
気を使われるせいで、余計に自分が惨めな感じがするツナ。
まぁ事実、ツナ以上に惨めな男はいないだろう。
さて、と夜が声を漏らす。
「そろそろ校舎の中を案内して貰いたいのだが?」
「あ、す、すいません! というか……俺、授業があるんですけど……」
「授業? そんな物、校舎を案内する奴は免除だ。授業に遅れる、と言うのなら私が後日教えてやるが?」
「あ、い、良いです! 良いですから!」
何処か妖しげに光る瞳に怯え、ツナは両手を横に振った。
夜は冗談だよ、と言ってから一人先に進んで行く。
それを追い掛けながら、ツナは夜への違和感を抱いていた。
————他の先生とは何かが違う……気がする?
よく分からない…。
けど、この先生……皆と、何かが……。
ツナがジロジロと見ていると、いきなり夜が振り返った。
ツナは驚きつつも、ヘラッとした笑顔を浮かばせた。
「早く来てくれないのか? 沢田がいないと迷子になるぞ、私は」
「いや、こんな狭い校内で迷子は無いでしょ!」
思わず突っ込んでしまい、ツナはやってしまった、と声を漏らす。
突っ込まれた本人は呆然としている。
いつもどれだけみんなに突っ込んでいるのかを今更ながらツナは悟る。
あー! もー! と頭を掻きむしりながら、チラリとツナは夜を見た。
瞬間。
一瞬だけ、夜が笑った。
今までに見た事の無い、綺麗な笑みで。
「えっ!? い、今、笑いました!?」
「笑うよ。私だって機械じゃない。楽しい事があれば笑うし…悲しい事があれば、泣く。沢田は私の事を何だと思っているんだ?」
「……雲雀さんが先生の事を嫌いって言ってましたから、性格が凄く悪いのかな……と」
雲雀と聞いて、夜の眉間に皺が寄った。
けれど、直ぐ様表情を元に戻し、呆れた様に言った。
「性格の良い奴など、数え切れる程しかいない。私は、確かに性格は良いとは言い切れないな……兎に角、早く行かないか? 私は、この学校に馴染まなければならないし————……」
そう言って、ツナの肩に夜が触れた瞬間。
バチッと静電気の様な物が起こり、夜は数歩下がる。
そして、赤色の筈だった夜の瞳が、青色になる。
————あれ、さっきまで赤じゃなかったっけ……?
夜がそれに気付いたのか、片目を隠す。
「す、まない……目に砂が入った様だ……トイレに行って来るから、暫く待っていてくれ!」
夜は足早に去る。
一人残されたツナは、先程の事を思い出しながら呆然と立っていた。
————さっきの……静電気みたいなの……一体……?
しかも、目の色が少し……変だった気が……?
ツナの胸の内に疑問が幾つか残り、しこりを作った————。