二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 オリキャラ募集! ( No.24 )
日時: 2011/04/27 23:03
名前: 葵 (ID: 7jw4zwan)

 4話 契約来る!


何とか案内も終わり、ツナは獄寺と二人で帰っていた。
山本は因みに野球中である。


「獄寺君、俺今日本当ビックリしちゃったよ。いきなり攻撃するから…」

「すいません…。けど、十代目が困ってるんじゃないかと思いまして…」


シュンと獄寺が情けなさそうに頭を下げた。
ツナはそんな獄寺の態度に焦りながら、良いよ良いよ、と弁解する。
ツナが許してくれた為、獄寺が顔をいきなり上げた。


「俺、あの女見たことある気がするんスよね」

「あの女、って…。黒山先生の事?」

「そうです! あいつ…何処かで見たんスよ。イタリアですかね?」

「イタリアなら殺し屋関係? 其れは無いって! 其れに、殺し屋ばっかり集まられても困るし…」


そーッスよね! と獄寺がニカッと笑った。
殺し屋が自然と集まるのは、自分がボンゴレ十代目であるから、という理由を知らぬのか知っているのか。
朱に交われば赤くなる、いつかはツナもマフィアになるのだろう。
シンと辺りが静まり、話題が無くなった事を物語る。


「そう言えば、今日は朝の一回しかリボーン見てないんだ。何か物足りないと思ってた…」

「リボーンさん、ですか?」


獄寺が辺りを見回す。
辺りは誰もおらず、ツナと獄寺の二人だけ。
予想外に夜の案内で、時間を食ってしまっていた様だ。

———リボーンなら、平気かな。


「リボーンなら平気だよ、きっと。また何処かでエスプレッソ飲んでるから」

「そうッスよね!」


———そう考えることしか、出来ない。
リボーンが誰かに殺される筈、無いし…。

フッと頬に冷たさを感じ、ツナは上を向く。
雨、だ。
しとしと、と少しずつながら降り始める。


「あ、雨だ…」

「傘持ってませんし、急ぎましょうか」


突然。
ザァア…と雨が降り始め、二人は近くの屋根の下に移動する。


「雨…止まないね」


少し濡れた服を叩いて、ツナは項垂れる。
何処か心の奥底で、リボーンを心配する感情を押し隠しながら。



———————————


「何故、私を呼んだ? 私が…ボンゴレに憎しみを抱いているのを、一番理解していたのは貴様じゃ無いのかッ!?」


並森中の校庭で、夜が静かに怒る。
怒られている相手は、リボーンであった。
相変わらず変わらぬ表情のまま、夜の話を聞くリボーン。
そんな態度が気に食わないとでも言いたげに、夜は眉間に皺を寄せた。

———私は…私は…。


「ボンゴレも、日本も。全て…全て大嫌いだ! 私は、嫌な過去を忘れたかった! なのに…今更ボンゴレファミリーに入れ、だと? 冗談も甚だしい!」

「冗談じゃねぇ。事実、ボンゴレファミリーに入って貰いてぇのは確かだ」

「そんな願いなら、私は聞かない。弱体化しつつあるボンゴレファミリー…。いっそ、壊れてしまえば良い! 私の未来を奪った此のファミリーなど、入るつもりは毛頭無い!」


夜はクルリとリボーンに背を向けた。
雨がザァア…と降り始めるが、二人は濡れる事を防ごうなどとしなかった。
只、お互いに苦しい想いが立ち込めているだけだ。
瞬間、リボーンが口を開いた。


「確かに、弱体化はしてる。其れにお前の未来を奪ったのも確かだ。だからこそ、俺はお前に入って貰いたい。苦しい過去を忘れた所で、お前は楽になれるか? 違うだろ? お前には、ダメツナ達と本気の戦いをして貰いたい」


夜が振り向く。
本気の戦い———其れは、命を奪ったり奪われたりの戦いだ。
夜の強さが計り知れないというのに、リボーンは不敵に笑う。


「あんな餓鬼共と? ———ハッ…笑わせてくれる。彼奴等なんて、私一人でも倒せるさ」

「彼奴等の今の伸び盛りは異様だからな。今までに何度もミラクルを起こして来た」

「———なら、良いだろう。其の貴様の言うミラクルに賭けてやる。私に負けた場合には、もうボンゴレファミリーは壊滅ということで良いな?」

「良いぞ」


夜はまた振り返り歩み出す。
全てはボンゴレファミリーを壊滅させる為。
憎むべきボンゴレファミリーを、潰す為———…。