二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 8話up! ( No.48 )
日時: 2011/05/10 22:44
名前: 葵 (ID: w731Gq1j)

 9話 集団家庭教師来る!


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「う゛ぅ…。てか、いつ戦えと? 何処でなんだ!?」


脳味噌をフルに活動させ、ツナは考える。
が、そんな小さな脳味噌では結果は考えられなかった。
リボーンに“命を賭けた戦い”を豪語されてから、二日が経っていた。
けれど辛い特訓なども無く、ツナは不思議に思っていた。


「あの日から先生の接し方も普通だし…。もしかしてあの日リボーンが言った事は、夢だったとか!?」

「夢な訳ねーだろ?」


いつからいたのか、横にリボーンが歩いていた。
ツナは驚き、思い切り尻餅をつく。
そんなツナの腹にリボーンはダイブし、ツナは痛さのあまり悶える。
リボーンはツナの腹から地面に飛び降り、ツナをジッと見た。


「夢な訳ねーだろ?」

「何で二回言ったんだよ!? 分かったから、何!?」

「此の間にヴァリアーとの戦いがあったばっかりで、授業受けてねーだろ? 俺は家庭教師だからな。ダメツナの点数が下がったら、ママンに解雇されちまう。ママンのご飯はうめーし、正直解雇されたくない。(正直ダメツナの勉強とかどーでも良いかもな)」

「聞こえてる! なんか心の声丸聞こえ! あれ、何で!?」


突っ込みどころ満載である。
事実、ヴァリアー戦が終わったばかりであり、まだ皆の疲れや傷は癒えていない。
今は修行どころでは無く、とりあえず休む事が重要なのだとリボーンは思ったのだろう。
しかし其れを敢えて言わずに、勉強が出来ないからと嘘を吐くのは、リボーンなりの優しさなのかも知れない。


「其れに、だ。今回はバジルも帰ってる。バジルはどうしても外せない任務があるから、来れないらしい。つまりツナ…お前は一人で修行しなきゃいけなくなる。一人の修行がどれだけ大変なのか、分かるか?」


ゴクリとツナが思わず息を飲んだ。
リボーンから発せられる殺気に、押し黙ったのだ。
リボーンはいつもと同じ様な雰囲気に戻ると、ニヤリと怪しげな微笑を浮かばせた。

———ヤバい…!
此の笑い方は前々から、あんまり良い思い出無い!

思わずツナは立ち上がり、逃げ出そうと振り返る。
が、リボーンに取り押さえられ、ツナは涙目になりながら絶望だ、と呟いた。


「絶望? むしろ最高だぞ。ボンゴレ直属秘密特殊暗殺部隊———キュリアに生きてるうちに会えるんだからな」

「ボンゴレ直属秘密特殊暗殺部隊? 長ッ! というかヴァリアーの人達だけじゃないの、暗殺部隊!」

「んな訳ねーだろ。ボンゴレともあろうものが、一つの暗殺部隊だけで満足してると思うなよ。他にもいっぱい暗殺部隊ぐらいある。けどヴァリアーとキュリアだけは軍を抜いてるって訳だな」


リボーンは自分で少し納得した様に説明した。
けれど、馬鹿なダメツナには一切理解出来ず仕舞いだ。
ツナはリボーンの言葉を紡ぎ、其の意味を考える。
が、其れを待たずにリボーンは次へと会話を進めてしまう。


「キュリアは今まで見られた事の無い属性ばかりを集めた、精鋭だらけの暗殺部隊だ。キュリアに比べたら、ヴァリアーなんか屁でも無いだろうな。まぁ暗殺部隊とは名ばかりで、実際は不思議な属性をより多く集めているらしい。後は…不思議な属性以外にも、強過ぎる奴とかな」

「ヴァリアーが…屁でも無い…!?」

「キュリアは言わば、ボンゴレの最重要機密。つまりは、ヴァリアーの後釜なんだ。ヴァリアーでさえ出来ない任務を、キュリアは難無くこなす。だから敬意と畏怖を称し、戦乙女ヴァルキュリーの名からキュリアに決めたんだと言われてる」


ツナはヴァリアーをも越えるキュリアの存在に、恐ろしさの余り体を震わせた。
まさか、此の前に戦ったヴァリアーの他にも暗殺部隊があり———更にはヴァリアーよりも強いだなんて、思ってもみなかったからだ。
そんな脅威が現れた事で、ツナの顔がみるみる内に青く染まっていく。
リボーンはニヤリと微笑み、ツナを見た。


「大丈夫だ。只、家庭教師をしてくれるだけだからな」


其の言葉と同時に、ツナは安堵の息を漏らした。
なんだよ…などと言葉を漏らし、学校に向かい始める。
一人取り残されたリボーンは、ツナの後ろ姿を見て呟いた。


「…———其れだけだと、良いけどな…」