二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 9話up! ( No.53 )
- 日時: 2011/05/10 22:45
- 名前: 葵 (ID: w731Gq1j)
10話 キュリア幹部来る!
「………え? リボーン、今何か言った?」
「…何も言ってねぇよ、ダメツナ。お前遂に耳まで駄目になったのか?」
「違うよ! 多分まだ大丈夫…」
少々不安になるが、まぁ大丈夫だろうとツナは自分を励ます。
———けど、やっぱりさっき何か言ってた気が…?
気のせい?
やっぱりリボーンの言う通り、耳…ヤバいのかな!?
マイナス思考が一度始まると、中々終わらない。
ツナの頭の中で、つい最近テレビでやっていた“耳の病気”が過った。
瞬間、リボーンが向こうから来る集団を指差した。
ツナは目を細めて其の集団を見る。
「ホラ、あれだ。キュリアの幹部共」
「———雪浪、君!?」
遠目にも、雪浪が堂々と歩いて来るのが見えた。
つい最近“普通”の友達が出来て喜んでいたツナにとっては、少し酷だった。
やはり、マフィアのボスなどやっているから普通の友達が出来ないのだろうか、とツナは心の中で嘆く。
———雪浪君でさえ殺し屋…。
もう、俺何も信じられないかも…。
少々項垂れた時に、其の集団はツナの前にいた。
「こんな所にボンゴレ十代目が?」
「あら、まだまだ可愛い坊やじゃない♪」
「あれ? 俺初めて見るかも」
美女二人と青年一人がツナの顔を覗き込む。
全員が綺麗な顔立ちをしている為、ツナはゴクリと生唾を飲んだ。
雪浪は少しだけ遠くから、ニコニコしながら其のやりとりを見つめていた。
不敵で、全てを見透かした様な瞳。
ツナは初めて、雪浪に畏怖を覚えた。
遠くから雪浪はツナに近付き、ニッコリと———此の前に見せた笑みとは、また違う笑みを浮かばせた。
「ツナ…悪かったな、黙ってて。俺等も九代目にきつく言われてんだよ。ツナを守る様にってさ。だから、俺等密かにツナ達の事見張ってたんだよ」
「九代目が———…」
「そうよ。本当にもう…あの老い耄れ、私達を上手くこき使ってくれるわよね。雪浪…アンタも少しは私達を休ませる気は無いの?」
チラリと美女一人が雪浪を見つめた。
ニコニコと笑みを浮かばせる雪浪から、一瞬だけ恐ろしい程の殺気が発された。
其れは明らかに、美女に対して発された殺気であった。
美女は少々後退し、殺気に体を震わせた。
美女は冷や汗を流しながらも、自分が怯えたという事実を認めたくないが故に、そっぽを向いた。
「俺の名前は知ってるだろ? けど、他の奴等の名前は知らないだろうから…。ホラ、早く皆挨拶しろよ」
雪浪に急かされ、端にいたモスグリーンの瞳の美女が一歩前に歩み出た。
「私は由良 明日香。属性は雲と雪だ」
「俺はロキ・ライトル。属性は光…かな?」
「…私は新月 一焔よ。属性は雨」
「そして、俺が紀川 雪浪。属性は風だ」
全員の挨拶が終わり、ツナは呆気に取られた。
———いやいやいや、いきなり挨拶されても俺知らないんですけど!?
しかも風とか光とか雪とか…知らない属性のが多いし!
俺こんな中でやってける自信無いよ!?
此のメンバーでやるぐらいなら、よっぽどリボーンにやって貰う方が怖くない気がする!
藁にもすがる思いで、ツナはリボーンを見つめ———ようとした。
が、リボーンは既にいなかった。
置き手紙一枚だけを残し、リボーンの姿は既に無かった。
明日香が其の手紙を声に出して読んだ。
「ダメツナへ。俺は行く所があるから、そいつ等に鍛えて貰え。リボーンより…」
皆からの視線を感じ、ツナは心の底から逃げ出したくなった。
其れから、自分を置いて何処かに行ったリボーンへの恨みも少しだけ。
明日香はグシャッと手紙を握り潰すと、ツナに少しだけ笑みを向けた。
「よし、了承も得た。さぁ…秘密特訓…学校無しで行くぞ?」
「うわぁい♪ 俺、楽しみだったんだよな! 明日香の秘密特訓」
「さぁて、朝から激しく行くわよ?」
「一焔…なんかエロい。ツナ、頑張ろーぜ!」
ポンと雪浪に肩を叩かれ、ツナは現実に帰って来た。
「嫌だああああああああああああああああああああああああああああああああ!」