二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 10話up! ( No.58 )
- 日時: 2011/03/30 00:46
- 名前: 葵 (ID: 7jw4zwan)
11話 雪浪&一焔式特訓来る!
———————————(ツナ&雪浪組)
其の日からツナ達ボンゴレファミリーの特訓が始まった。
ツナは雪浪、山本は一焔、クロームはロキ、獄寺は明日香、了平は後から来たロキの部下———彗、雲雀はディーノ、ランボはパオパオ老師である。
ツナは内心、雪浪で良かったと心の底から安堵した。
少々怖かったりはするのだが。
「ゆ、雪浪君……何処まで行くつもり? 結構山奥まで来たみたいだけど…」
そう、此処は山奥。
今の時間帯は夕方で、既に此処に来るまでにツナは転んだりしていた。
体力は既に殆ど無いが、雪浪はスタスタと一人足早に歩いて行く。
何度か休憩を入れたりしたが、もうツナの体力も限界であった。
「何言ってんだよ、ツナ。此処はまだ中腹だぜ? 途中で何度か休憩を入れたせいで、まだ頂上に着けてないんだ。急ピッチで行くぜ? あ、因みに…頂上に行ったら特訓開始だからな」
中腹と聞き、ツナは思わず深い溜め息を漏らした。
というか結構急な斜面が多く、登りに相応しく無い山なのだが。
頂上ともなると、空気中の酸素濃度も薄いだろう。
其の中での特訓は、とてつもなく辛いものだろうとツナはまた溜め息を漏らす。
———というか、わざわざ此処まで来て特訓する必要性…ある?
うん、無いよ…。
絶対無い…。
リボーン…!
俺、絶対マフィアのボスになんかならないからな…!
そう固く決意し、ツナはまた山を登り始めた。
———————————(山本&一焔組)
「つまり、あんた等を強くさせる為にボンゴレが全勢力を上げてるって訳よ。分かったかしら?」
「あぁ! まぁとりあえず分かったかな」
「馬鹿って聞いてたから、何回説明しなきゃ駄目かと思ってたら…意外に物分かり良いのね。じゃ、始めるわよ?」
ニッコリと一焔が微笑み、杖に炎を灯す。
山本の炎より幾らか美しい青で、山本は思わず一焔の炎に目を奪われた。
「此れだけ綺麗な炎を見たのは初めてなのかしら? 炎は使い手の能力…技能…全てを表すのよ。貴方の炎も綺麗に違いないでしょうね…。真っ直ぐで揺るぎない精神…貴方の良い所ね」
山本の炎を想像しながら、一焔は言った。
さて、と一焔は言葉を漏らし,立ち上がる。
山本は思わず刀を構え、臨戦態勢に入った。
瞬間。
触れられてもいない筈なのに、山本は思い切り口から血を吐いた。
山本は地面に倒れ込み、虚ろな目で一焔を見つめる。
一焔はカツカツと山本に歩み寄り、山本の髪の毛を思い切り引っ張った。
一焔の瞳は先程迄とはまた違う———冷たい瞳をしていた。
「其処が貴方の弱味よ。相手が油断していれば、貴方も油断する。そんなんじゃ貴方…いつか死ぬわよ? 相手を信用するのも大切だけど、相手を疑う事も覚えなさい。其れに、野球と剣道…どちらかを今、選びなさい」
一焔は冷たい目付きで、山本にそう言い放った。
野球か剣道…どちらかを選ぶなんて事は山本には出来ないのに。
山本は痛む腹を抱えながら、立ち上がる。
一焔はそんな山本を見下した。
———どちらも選び切れない只の偽善者ね。
自分が大切…って訳でも無さそうだけど、友達を守るには多少の犠牲も必要だわ。
「友達を守りたいのなら、今すぐにでも野球を止めた方が良いわ。“覚悟”が無いなら、死ぬわ。此れは忠告よ。聞かないか聞くかは貴方次第…。兎に角、貴方がやる気なら本気で戦ってやっても———…」
「俺は友達を守りたい」
「なら…」
「だから、教えてくんねーか? お前の言う…“覚悟”ってのを」
ニッコリと笑みを浮かばせる山本に、一焔は何処か嘲笑した様な笑みを浮かばせた。
山本は相変わらず笑顔を浮かばせたまま、首を傾げる。
山本の首元を掴み、一焔は一気に引き寄せた。
「貴方…名は?」
「…ッ山本 武…」
「私は新月 一焔よ。貴方の事、気に入ったわ。出来る限り殺さない様に特訓してあげる。さ、始めましょ?」
ニッコリと一焔は微笑んだ。
怪しげで、妖艶な笑みを浮かばせて———…。