二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 お知らせup! ( No.81 )
- 日時: 2011/08/11 12:41
- 名前: 葵 (ID: 5Zruy792)
14話 対戦相手来る!?
ツナは並森中に行く為に、道を一生懸命走っていた。
時間は11時50分…走ればかろうじて間に合う時間帯なのだが、悠長に歩いていては間に合わない。
雪浪との特訓が予想外に時間を食ってしまい、山を下りるのだけで半時間掛かってしまった。
「リボーン今回全く来てくれなかったし! 雪浪君と二人きりとか、気まず過ぎた!」
などと戯れ言を叫びながら、ツナは走る。
内心、真夜中な為、近所迷惑にならないかとハラハラしているのだが、今はそんな事を考えている暇は無い。
不意に、足元の石につまずいて、転んでしまった。
「痛……」
ジーンズを履いていた為、傷が見えなくて良かったとツナは思った。
血が見えると余計に痛く感じる、と誰かに聞いた事がある気がしたからだ。
尻餅を付いていると、目の前からいきなり白い手が伸びて来て、ツナは思わず息を飲んだ。
先にいたのは、二人の少年少女。
手を差し出してくれたのは、どうやら少女の方らしい。
二人共髪の色が黒や茶色では無く、緑色。
外人だろうか?
ツナは恐る恐る差し伸べられた手を掴むと、立ち上がった。
「……す、すいませんが……並森中への行き方を御存じありませんか……?」
オドオドと、少女がツナに尋ねる。
行き方がどうのこうのの話では無く、ツナはこれから並森中へ行く真っ最中である。
「あ、俺これから行く所で……付いて来……ます?」
慣れない敬語に、少々躊躇うツナ。
にしても、何故こんな深夜に並森中に行くのかと、ツナは首を傾げた。
少女は少しだけ表情を綻ばせる。
綻ばせるとは言っても、少女はどうやら暗い性格の様で、中々笑顔を見せない。
「……ありがとう、ございます……わ、私はエル・リオン……此方はキル・リオン……お兄様なんです……」
お兄様、などと慣れない言葉。
そんな言葉遣いにツナは苦笑いを溢しながら、キルにも頭を下げる。
キルは眉間に皺を寄せ、不機嫌だとでも言いたげである。
チッと舌打ちを漏らすと、キルは一人で先に歩き出した。
余り宜しくない態度にツナは少しだけ固まるが、エルがいる為口には出せない。
「す、いません……お兄様はいつもあんな感じで……人が、嫌いなんです……」
「人が?」
「昔、両親を亡くしまして……施設に預けられた、んですが……執拗過ぎる虐めに……お兄様は、心を痛めてしまって……今では、私しかまともに話してはくれません……皆ともっと、仲良くして欲しいんですが……」
シュンと項垂れるエル。
少しだけキルに好感が持てて、ツナは笑みを浮かばせる。
ふと、先程からずっと疑問に思っていた事を、ツナはエルに問い掛ける。
「話は変わるけど、えと……何でこんな夜中に並森中に?」
「い、言いませんでしたか……?」
「う……うん。多分ね」
エルは言って良いのか分からない、と言いたげにキルをチラリと見る。
キルは遥か彼方まで行っており、エルの望む様な展開にはならないだろう。
エルはハァッと溜め息を漏らしてから、ツナの目を見る。
「私達は……沢田 綱吉さん、貴方の対戦相手……キュリアのメンバーの一員です……少し、任務で出掛けていたのですが……ようやく終わりましたので……」
「……え?」
「……聞いてません、か……? 私達対、貴方達……ボンゴレの皆様……雪浪から、貴方達を殺すつもりで行け……そう指令が出ております……」
少しだけ笑みを浮かばせるエルに、青ざめるツナ。
___各々、色々な感情を抱きながら…並森中に着いた___