二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 22話up! ( No.124 )
- 日時: 2011/04/02 15:51
- 名前: 葵 (ID: GSWgO850)
23話 攻式来る!
「まぁ、マシンガンの性能と、お前の身体能力が何処までなのかを調べる必要性がありそうだな」
___ガガガガガガガッ
無限とも言えそうな程弾が出て、山本を追う。
が、寸前の所で山本は刀で防いだり、又は避けたりして、かろうじて大怪我は負わずに済んでいる様だ。
元は教室だった筈の場所は只の瓦礫と化し、銃弾を受けたせいで複数の穴が開いている。
痛々しいとしか言い様の無い場所に、山本は刀を片手に立っていた。
所々傷を負っているのは、全て此のマシンガンによる傷だ。
「……成程。お前の身体能力がそこそこ判定出来たし、此のマシンガンじゃ、お前の命を奪う程の打撃を与えられない事も分かった。…とは言え、傷だらけだなぁ? 此れでボンゴレファミリー、雨の守護者の看板を背負えるのか?」
山本はキルの侮辱には動じず、静かに刀を構える。
「攻撃して来るか? まぁ今のお前じゃ防戦一方だしな。そんな戦い、俺も望んでねぇ。………来いよ!」
「———攻式二の型……篠突く雨ッ!」(多分違うので、漫画を確かめてからまた書き直します)
———————————
同時刻…ツナは一人、学校内を彷徨っていた。
幾ら毎日通う学校であれ、真夜中に学校に来る事など、無いに等しい。
深夜と昼と……時間が違うだけで、夜中の学校は全く違う姿を覗かせているなど、ツナ以外の奴等は知る由も無い。
雪浪に置いて行かれてから、ツナはとりあえず現在地点を確認する事すら出来なかったのである。
「山本の戦い…始まっちゃってるよなぁ。どうしよう……」
ハァと深い溜め息を漏らした瞬間、後ろの方の草むらでガサリと音がして、ツナは思わず飛び上がる。
恐る恐る草むらを覗いてみると、其処には水色の髪を持った女性がいた。
彼女はツナと目が合うと、苦笑いを溢した。
「…えと、あの………誰…?」
実は彼女は彗であるのだが、ツナと彗は初対面である。
幹部の中にはいなかった為か、ツナは彗の事を一切知らない。
彗は恐らくツナの事は知っているのだろうが、ツナが知らないのであれば意味は無いだろう。
「え? あ…ウチは彗。キュリアのロキ・ライトルの部下なんや。よろしゅうな、ボンゴレ十代目」
「彗さん、です…か?」
「堅苦しい敬語とか無しの方向で頼むわ。つか、逆にウチがボンゴレに敬語使わなあかんのやけど……敬語は苦手でなぁ…」
少々罰が悪そうに彗は言う。
———というか…彗さんって日本人離れしてるのに、
何で彗って名前なんだろ…。
しかも関西弁だし…。
ついでに言えば、キュリアって美男美女多過ぎじゃない!?
「べ、別に敬語じゃなくても良いですよ。絶対に彗さんの方が年上ですし、むしろ俺が敬語を使わなくちゃいけないんじゃないでしょうか…」
「…うーん、其れも良いけど、仮にも上司と部下の関係的な感じやろ? 流石に其れはあかんわ。ロキにも怒られてまうからな。ロキは中々怒らへんから、怒った時はめちゃくちゃ怖いねん」
———ロキ…?
あぁ、あのカンバッジの付いたニット帽被った綺麗な男の子…。
上司への愚痴が少しずつヒートアップして来ているのを感じ、ツナは話題を変える。
「そう言えば、彗さんってどんな属性なんですか?」
「うーん…ウチなぁ……言って良いんか分からへんねんけど、ウチは炎って言う属性やねん」
「ほ、のお?」
初めて聞く単語に、ツナは首を傾げた。
どうやら、特別な属性はお互いに被ったりする事は無いらしい。
其れは当たり前の話である。
特別な属性の者は、元々複数の属性を持ち合わせている者が、突然変異で其れらの属性が混ざり合い、新たな属性が出来てしまうのである。
突然変異が起きるのは突然の事であり、本人にも其れは分からない。
何の前触れも無く、力を使った時に気付く位の物だ。しかも本人の強さなども比例する為、それぞれ皆違う属性なのだ。
万が一同じ物があったとしたら、其れは力も…しかも持っていた属性すらも同じという認識になる。
「そ、炎や。ウチはロキと違って、属性の炎単品で扱ったりは出来へんけど、結構使い勝手えぇねん」
「そうなんですか…」
「あ、あっちちゃう? 其の…山本 武とか言う雨の守護者が戦ってるん」
「あ、ありがとうございました!」
ツナは勢い良く頭を下げる。
すると、彗は良いって言うてるやろ、敬語なんか…と苦笑いを溢した。
「早く行き。ウチはロキに頼まれ事があるから、幹部のん見てる暇らあらへんねや」
そう言うと、彗はツナの前から姿を消した。
まるで、以前エルが消えた瞬間の様に、一瞬で。
呆然と其れを見つめてから、ツナは我に帰り、山本達の戦いが中継されているであろう場所に向かって走った。