二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 25話up! ( No.135 )
- 日時: 2011/04/16 23:56
- 名前: 葵 (ID: 7jw4zwan)
26話 安否確認来る!
雨の守護者戦が終わり、ツナは安堵の溜め息を漏らしていた。
山本は野球をするには一切支障の無い程度の傷であり、直ぐに完治すると医者に言われていた。
だが、山本を診た医者は、何故銃などの弾丸が? と首を傾げていたが。
一方、キルは相当の重症であった。
山本を助ける為に失ってしまった右腕からの出血が酷く、キルは近くの病院に急いで連れて行かれた。
エルは、担架で運ばれて行くキルを涙目になりながら見つめていた。
因みに、ツナやボンゴレのファミリーは全員、キルの容態を知らない。
ただ、傷が酷いとしかファミリー全員に知らされておらず、ツナは気が気では無かったのである。
だが、キルが運ばれて行ってから、チェルベッロは淡々とした口調で述べていた。
___明日の戦いは霧戦……クローム髑髏と由良 明日香との戦いです___
目の前でキルが死に掛けているというのに、チェルベッロの二人(先程までエルに殺されかけていたのだが、無事だったらしい)は一切表情を変えない。
其れがチェルベッロの公平さなのであるが、ツナには理解出来ない。
「クローム、大丈夫かな? 雷戦の時凄く怯えてたし……ちょっと気になるな……」
———だからと言って、わざわざ黒曜ランドに出向くのもどうかと思うし……。
そもそも、クロームに会う前に追い返されそう……。
あの……千種とか言う人と、犬とか言う人に……。
頭を抱えて悩んでいると、後ろから聞き慣れた叫び声がした。
其の声を聞いて、思わず表情が強張ってしまうツナ。
表情が堅いまま、ツナは後ろを振り向いた。
其処には、此方に向かって走って来る雪浪がいた。
「ツナ!」
「……雪浪君……」
「あ、あんま身構えんなよ? 今は俺等、普通の友達なんだからよ。……あんまり気にすんなよ、キルの事」
少々悲しげに、雪浪はツナに笑い掛けた。
雨戦の間に垣間見せたあの猟奇的な行動など、想像すら出来ない。
雪浪は雪浪なりに、考えているのである。
ツナとはまた違った方法ではあるのだが、雪浪もまた仲間を信頼しているのだ。
其処は一緒なのだとツナは頭では理解しているのだが、どうしても昨夜の行動のせいか雪浪を自然と避けたり、怯えたりしてしまう行動が増えていた。
「……キル、君の容態は……?」
「彼奴なら……大丈夫だよ。まだ意識は戻ってないけど、きっと戻るって信じてるし、死んだ時なんて……俺等が考えたりしちゃいけないって事になってるんだ。仕事に支障が出るし、何より……仲間内で情が生まれちゃいけないって」
雪浪は最早諦めた様に呟いた。
ボンゴレ程の大きなファミリーであれば、稀にスパイなどの者が入り込んで来たりするのだ。
其れ故に、バレてしまった場合には仲間がスパイを倒されなければならない。
スパイ如きに時間を割いている暇など、ボンゴレには無いとでも言いたげに。
今まで仲間であった者ですら、凶器を向けなければならない恐怖。
怯えて最早腰を抜かして座り込んでいる仲間に、雪浪は何度も凶器を振り下ろした。
———どうして……。
どうして、スパイなんかするんだよ……。
脈の無い“同志”に、雪浪は何度泣き付いただろう?
感情は押し殺して。
何も感じない様にして。
心を壊すか壊さないかは雪浪次第だったのだろうが、雪浪は壊さずに、現実を直視した。
其れ故だ……。
雪浪がこんなに大人びた考えを持つ様になり、外見年齢と反比例する様になったのは。
「……ツナ、仲間を殺したりしたくないなら、お願いだからボンゴレになんてならないで。俺は……ツナのファミリー全員好きなんだぜ? まぁ成り行きでこんな事になっちゃってるんだけど……さ」
「雪浪君……」
「……おっと、何かしんみりしちゃったな。ごめんな? ……じゃあな」
雪浪は苦笑いを浮かばせ、足早にツナの前を去った。
残されたツナは一人、辛い辛い現実を直視しながら……。
雪浪達が置かれた立場を考えながら、一人沈みながら登校した。
————
個人的に……雪浪君好きなんですよね。
だから雪浪君の登場がやたらと多くなる;
けど、雪浪君の案は何と無く好きだし、ツナより好きかも……((ちょ
ツナの考えって性善説な感じがするんですよね。
だから雪浪君みたいに、一回世界の裏側を見てくるべきだと思う、うん。