二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 27話up! ( No.141 )
- 日時: 2011/04/24 23:28
- 名前: 葵 (ID: 7jw4zwan)
- 参照: 誰か……私を高校生活から脱出させてくれぇえええええぇええぇ
28話 雪属性来る!
深夜……。
またしてもボンゴレとキュリアは向かい合っていた。
場所は勿論体育館……何も置いておらず、ツナ達の目の前に幻覚防止用のレーザーが張られているだけである。
クロームと明日香は、其のレーザーの向こう側にいた。
只正対し合う二人と、其れを静かに見守るボンゴレとキュリア……。
「では、クローム髑髏vs由良 明日香……霧戦、開戦です」
そうチェルベッロが言ったと同時に、クロームは三叉の槍を振り回し、柄の部分を床へと突き立てた。
其れと同時にクロームの立っている床が盛り上がり、クロームと明日香が宙に上がる。
「ほぉ……成程な。此れは幻覚か……」
明日香は納得した様に呟き、クロームを見つめる。
クロームは幻覚が効かない事に怯え、三叉の槍を一振りした。
瞬間。
明日香の周りにとぐろを巻いた蛇が現れた。
勿論、此の蛇は全て幻覚などでは無く、本物の蛇である。
噛まれれば、命の危険性は伴うであろう。
「……ヴァリアーとの戦いで見せた、畜生道とか言うヤツか? ふん、蛇など———」
明日香は武器である二刀流を何処からか取り出し、構える。
迫り来る蛇に、明日香は刀を向けた。
一瞬で蛇の頭と胴体が切り離され、鮮血が辺りに飛び散る。
「バラせば良いだけだ」
返り血を浴びる明日香を見て、ツナは思わず美しいと思ってしまう。
其れと同時に……蛇の胴体がうねうねと動き回るのを、気持ち悪いとも思った。
———綺麗……だけど……。
気持ち悪い……。
皆は普通に見てるけど……俺にはそんな事、出来ない……。
目を逸らそうとするツナに、リボーンは静かに述べた。
「ちゃんと見とけよ。お前の運命もかかった戦いだ」
「う……うん……」
目を逸らしたくとも、逸らさせてはくれない。
最早軽く諦めて、ツナはクロームが勝つ事だけを祈っていた。
今度はヴァリアー戦の様に、骸に頼る事は出来ない。
骸は今、復讐者の牢獄の中で疲労困憊の状況に陥っているのだから。
そんな骸に戦えという方が酷だろう。
クロームはまたしても床に槍を突き立てた。
瞬間、火柱が辺りから飛び出して来た。
「熱ッ!」
「馬鹿が。お前も食らった技じゃねぇか。何度食らいたいんだ?」
「食らいたい訳じゃ無いけど……前よりリアリティが増してる……気がする」
事実、今回の特訓によりクロームは少々技術が向上したのである。
リアリティが多少増し、ツナなら簡単に落とせる程。
___が。
「私には効かないぞ?」
明日香は火柱の中を平然と歩き、焦げすらもしない。
此れが幻覚だと理解している故の結果だった。
「……う、そ……」
「嘘では無いぞ? お前達が見てる、今火柱の中を歩いている私が何よりの証拠。所詮は幻覚。正体さえ分かっていれば、幻覚など私の足元にすら及ばない…………代わりに私の能力を見せてあげようか。私の能力……其れは———」
明日香が手を上に掲げると、吹雪が吹いて来た。
吹雪は瞬く間に火柱を消し去り、体育館内には雪が積もり始める。
寒さの余りツナは意識を手放しそうになったが、其の都度リボーンに頭を殴られ、なんとか事無きを得ていた。
「私の能力は、雪。属性上私は此の様な寒さに強くてね? だが普通なら……簡単に意識を手放している筈だ——…………どうだ? 意識が無くなりかけているのだろう?」
「ち、がう……ッ! 私、は……骸様の為、に……」
クロームは反発するものの、実際は意識など殆ど無いに等しかった。
眠気がクロームを襲い、寒さの余り髪が凍る。
唇も青く染まり、体温すらもう感じ取る事など出来ないだろう。
睡魔に襲われたクロームは、遂に降り積もる雪の上に倒れ込んだ。
「クロームッ!?」
「ふん———意外と呆気無い……まぁ、私の属性とお前の属性……相性が悪かったのだ」
明日香はそう呟いて、横たわるクロームの頬を撫でた。
————
個人的に、明日香の「バラせば良いだけだ」って台詞気に入ってます♪
何かテレビで流れてたんで採用したんですけど……意外にしっくり来ますね!
流石明日香としか言い様が無いw