二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【Dgray-man】-鍵の少女- ( No.153 )
- 日時: 2011/01/20 20:31
- 名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)
+第三章+
『そう…か…。ごめんね。つらい思いさせちゃって』
「いいえ…」
悲痛な声がアレンの口から漏れた。かすかにしか聞き取れない。
「それで、次の任務の話ですよね?」
アレンは元気に言った。しかし、その顔はつらそうだ。
──無理をしているのだろう。
「確か次も、レイナとは一緒なんですよね」
『うん。レイナちゃんとアレン君とスプリングちゃんの三人で言って貰うよ』
「スプリングとですか。神田じゃないならいいです」
『ホント仲悪いんだね。君たちは』
ハハハッと笑い声が電話越しに聞こえる。
『えっと、なんかね──』
「アレン!誰と電話してるの?」
コムイが言いかけたところで、アレンの背後から声が聞こえた。
「レイナ。コムイさんとだよ」
「コムイかぁ…」
『次の任務のことだよ』
一瞬、怪訝な顔をしたレイナだったが、コムイの言葉に手をポンッと打つ。
『それでね。どうやら巻き戻ってる街があるみたいなんだ』
「巻き…戻る?」
今度こそ、怪訝な顔になったレイナ。
『そう。たぶん時間と空間がある一日で止まって、その日を延々と繰り返してる。調査の発端は、その街の酒屋と流通のある問屋の証言なんだけどだけど…』
『室長ー!』
『なんだい?』
『急用ですー!!』
『後じゃ駄目なの?』
『今すぐお願いしますよ。室長!』
リーバーの切羽詰った声に、コムイは仕方なさそうに「分かった」と呟く。
『資料とかはスプリングちゃんに渡してあるから、彼女がそちらにつき次第出発ね!じゃ、気おつけて!』
「コムイさんも頑張ってください」
言ってアレンは電話を切った。
直後、機を見計らったようにレイナが話しかけてくる。
「場所は?」
「スプリングが知ってるから、スプリングが来るまで待機なんだそうです」
ふ〜んとレイナは言葉を漏らすと、自分の部屋へ戻った。
彼女も辛かったのだろう。そう考えをつけて、アレンも部屋へ戻る。
せめてスプリングが来るまでに気持ちを元に戻しておかなければならないから。