二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【Dgray-man】-鍵の少女- 参照1000突破! ( No.158 )
- 日時: 2011/01/30 18:57
- 名前: ほなっこ (ID: EHM01iHp)
あれから数日後。
カランッと一軒の食事屋の扉が、少女の手によって跳ね開けられた。
少女は媚を売ってくる髭もじゃおやじ達を手で制し、他のところには見向きもしずにある一席を目指す。
──その一席は山ほどの皿が積み上げられていた。
少女は小さく苦笑すると、その席に座る二人組みに話しかける。
「アレン・・・と、レイナでアル?」
「ふ?ふひんふ?」
「ん?スプリング?だって」
「よく分かりましたね。レイナ」
「いや、分かるでしょ。この状況で団服着た人に話しかけられたら。しかもそれがエセ中国語だったら」
「それもそうですか」
そんな二人のやり取りを見て、スプリングは二人とも将来漫才師になれるんじゃないかと思う。
しかし、目の前でコレだけ食べているのを見ると自分も腹が減る。
「すみませーん。我にも何かくれないアルか?」
店主は一瞬怪訝な顔をした後、裏に引っ込んでいった。
「そうそう、スプリング。始めまして」
「レイナでアルな?始めましてでアル」
レイナは、目の前に座ったスプリングにニコニコしながら挨拶をした。
そして思う。この人Sだ、と。レイナの勘は相変わらずのものだ。
「任務の話・・・は後にしたほうがいいでアル?」
「・・・うん」
二人はいまだ皿の山を増やし続けるアレンを呆れながら見つめた。
宿屋に戻れたのは、昼を少し回った頃だった。
「それで、今回の任務ってどういうの?」
三人は丸テーブルを囲うように座り、赤丸がつけられた一枚の地図を覗き込んでいる。
「今回の任務は探索班がいないでアル」
「探索班がいないんですか?」
アレンが意外だと言うようにスプリングに問い返した。
「そうでアル。今回の任務はイノセンスの力のせいで、イノセンス適合者以外町に入れないのでアル」
「ふぅん。それで、今回の任務は私たち三人だけの長期戦、ってわけか・・・」
「違うでアル」
「え?」
レイナは自分の考えを否定されて、少し膨れる。
「先にリナリーとリンネが行ったそうでアルが、この前アレンたちのところにノアが出現したでアルな?そのせいで厳戒態勢をひくことになった見たいでアルヨ。特に、一番目立ってる今回の任務先については」
「そうなんですか・・・。リナリーたち大丈夫でしょうか」
「うーん・・・。どうだろ・・・」
三人は小さく唸る。突如、レイナが思い出したように声を上げた。
「そういえば、今回の証言って毎日同じ電話がかかってくる、ってことだったよね?」
「そうでアル」
「だったら、少なからず中からは電話繋がるんだよね?」
レイナの言葉に、二人は納得した表情を見せる。
「それなら、ある程度コムイさんたちと連絡取れますね」
「着いたら電話してみるでアル」
「そーゆこと」
レイナは誇らしげに胸を張る。蒼の髪が太陽の光に当たって反射した。