二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【Dgray-man】-鍵の少女- ( No.99 )
- 日時: 2010/12/20 18:55
- 名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)
白に包まれた世界に三つの影があった。
「さて、伯爵さんどこいるんだろうね?」
キョロキョロと周りを見回す影が二つ。
イスに座りつつ欠伸をする影が一つ。
「Meは眠いんだ。そんなこと聞かないでよ」
欠伸をしていた少女が気だるそうに答えた。
「ハハ…。季更ちゃんはほんとマイペースだよね?」
黒髪の少女が呆れ顔で言う。
「フェルナ。そんなやつ気にしとったらアカン」
黒髪の少女の隣で、キョロキョロしていた水色の髪の少女──彗が、フェルナにペシッとでこピンをした。
「痛いなぁ。ひどいや彗ちゃん?」
「Youってほんとひどいよね」
ぶーぶーと不満の声を漏らすフェルナの隣で、季更が小さく呟いた。
刹那。
「「「───!!」」」
三人は殺気を感じ臨戦態勢をとる。
殺気の飛んできている方向には、4つの影。
「ねぇ?」
この緊迫した空気に合わない、間抜けな声がした。
声の主はフェルナだ。
「ここで捕まった方が、後々楽なような気がするのだけど?」
構えを解いて、手近なイスにフェルナは座る。
「Me眠いし」
「いま、やるのは面倒やな」
残りの二人も、構えを解いて手近なイスに座った。
フェルナたち三人を見張っていたロードたちは驚きを隠せなかった。
「なんだ?あいつら」
ティキが皆の気持ちを代弁する。
── 一度はティキたちが送った、殺気に反応したのに、それを解いて座るなんて普通は考えられない。
考えられないが…。
「おめぇさんら。どうすんだい?」
仮面で顔を隠した神樹が、フェルナたちから目線を離さずに問うた。
「捕まえるしかないでしょ〜。千年公お怒り気味だったしぃ〜」
傘型ゴーレム──レロに乗りながらロードはつまらなさそうに呟く。
隣でティキが、「お前のせいだろ」などと言っているがロードは聞いてないフリをする。
「神樹サンが、あいつらの能力と動き封じ込めちゃえばいいとおもうよ」
「俺かい?!」
メルの提案に、神樹が驚いた様子で聞き返す。
どうやら、嫌なようだ。
「あ、それいいねぇ」
「ボクさんせー!」
そんな神樹の意思は無視で、ティとロードは賛成をする。
「しょうがないねい」
神樹は、やれやれと呟いた。
フェルナたちが殺気を感知して10分ほど。
相手はまだ何もしてこなかった。
「Meほんとに寝ちゃうよ」
季更が机に突っ伏している。
その隣では、フェルナが苦笑していた。
「それにしても、何やってるんでしょうね?」
小さく見える影を見てフェルナは吐息を漏らす。
瞬間。
彼女たちは動かなくなった。
否、思考はしている。
『行動』を封じられたのだ。
タッ、と音が鳴った。
先ほどまで遠くにいた四人が来たのだ。
「マジかよ…」
ティキがポツリと漏らした。
残りの三人も自分の目を疑った。
──フェルナたちにある『聖痕』見て。
フェルナたちはロープでぐるぐる巻きにされ、千年伯爵の前に転がっていた。
「これハ、これハ…」
さすがの千年伯爵も、フェルナたちに浮かび上がる『聖痕』を見て、感嘆の息を漏らすばかり。
「それでハ、自己紹介をしましょうカ」
「はい?」
突然話題を振られて、フェルナは可笑しな声を漏らした。
のだが。誰も突っ込まないので、気を取り直して自己紹介を始めるフェルナ。
「私は、フェルナ・リュールというのです?ちなみに、メモリーは『悲哀』です?」
「!」
一瞬。ロードと伯爵の表情が変わったように見えた。
「ウチは彗や。メモリーは『意』やで」
「Meは鳳季更。メモリーは『眠』だね」
彗、季更も自己紹介をする。
「よろしくね〜!家族v」
ロードの台詞で締めくくられた。