二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- いつかの、 ( No.12 )
- 日時: 2010/12/06 17:11
- 名前: 如月 ◆QWE8ZSUilM (ID: ppbZlmwS)
※米とシー君
※なんというか、米が可哀想
今日の世界会議には、またもやあの子供がきていた。
子供と言っても、外見と国からみたらまだまだ子供だなぁ、と思うだけで 本当は40歳を超えたおっさんなのである。
そんなこと微塵も思わせない風貌の彼は、
イギリスが第二次世界大戦中に作った海上要塞が国家を名乗っている、シーランドという奴であった。
「またお前かシーランド!」
「良いじゃないですかー減るもんじゃないですし」
「おまっどこでそんな言葉…」
「では飽きちゃったのでシー君は休憩するのですよ!」
「あぁあまてゴラァアア」
そんなイギリスとシーランドのやりとりを聞きながら、書類へ目を落とす
こういう面倒くさい仕事をちゃんとこなすのも、俺がヒーローだからさ!
…そういえば、シーランドに聞きたいことがあったのを忘れていた。
「ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「ん?アメリカじゃーないですか。シー君にわからないことなんて無いのですよ!」
そう胸をはるシーランドは、
外見だけは確かにイギリスに似ていて何かおかしかった。
「なんで君はイギリスから独立しようするんだい?」
「…アメリカと僕は違うのですね。だからあんなにイギリスに反発するのですか?」
「なんだい?」
「んー……なんでアメリカはイギリスの野郎から独立したのですか?」
君と何が違うんだい?そう思ったけれど、ちゃんと質問に答えなきゃね。
子供の疑問に答えるのもヒーローの役目だからね!
自分にそう言い聞かせて、答えた。やっぱり空気読むのは疲れるな…
「簡単だよ。一人でやりたくなったんだ。君は思わないかい?イギリスの愛は重いんだ。
相手を自分の作った箱庭に閉じ込めて、幸せにしようとするんだ。国としてはそんなの無理なのにね。
僕は外が見たかった。もっと一人で頑張ってみたかった。
イギリスや、他の国と同じ物を見たかったんだよ」
答えは、これで良かっただろうか。
「一人で、ですか?」
「うん。」
「じゃあ僕とは違いますね」
そう彼は言った。違う?君はそうとは思わないのかい?
「シー君は別にそうは思わないですよ。」
「じゃあ矛盾してるじゃないか!
一人でやりたくないのに国になって独立しようとすりなんて!
そうしたら君はイギリスから離れて、イギリスに嫌われるよ?」
俺の問いかけに、シーランドはいままで見たことのない、
十分すぎるくらいの真っ直ぐな、心を見透かすような瞳で、答えた。
「アメリカは、シー君が生まれた意味を知ってますか?
イギリスを、戦争から護る為に生まれたですよ。
迫りくる戦争から、爆撃から、イギリスを護る為に生まれたのです。
もうシー君は、イギリスの怪我した所を、苦しむ所を見たくないです。
だから、大帝国になるですよ。イギリスを護る為に。
シー君は、イギリスの野郎を護りたいのです。それだけですよ。
知ってますよ、矛盾してることくらい。大国になるなら独立は不可欠ですから。
けれど、シー君は子供ですから。貪欲で、世間知らずで、夢を見て。
足掻いて、藻掻いて。怖いもの知らずなこと、全部、当たり前なんですよ」
そういうシーランドに、俺は言葉を失った。冷や汗がでる。息があらくなる。
そんな俺の様子に気付かずに、シーランドは、帰るのです。と去っていった。
—…青空の下で、少年は高らかに言った。
それを聞いて、青年は少年の頭を優しく撫でた。
あぁ、そんな事、大人になるうちに忘れてしまっていた。
頭痛がする。
「イギリス!僕、大きくなったら、イギリスを護るよ!」
「イギリスよりも大きくなって、皆から守ってあげる!絶対だよ!」
「ははは。楽しみにしてるな!」
「絶対だからね——…」
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大人と子供の見解。
なんかアメリカが不憫というかなんというか^p^